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貿易戦争

トランプ「相互関税」に対する各国の対抗措置まとめ...「企業収益悪化」「物価高」の懸念拡大

2025年4月4日(金)11時00分
トランプの相互関税に各国が対抗措置

4月3日、トランプ米大統領(写真)による包括的な関税措置発表を受け、貿易相手国は、対抗措置を警告するとともに、世界貿易への打撃に懸念を示した。4月2日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Leah Millis)

トランプ米大統領による包括的な関税措置発表を受け、貿易相手国は3日、対抗措置を警告するとともに、世界貿易への打撃に懸念を示した。米国内ではさまざまな商品が大きく値上がりするとの懸念が高まっている。

米国が2日発表した相互関税は、過去100年余りで最も高い貿易障壁に相当する。全ての輸入品に一律10%の基本税率を課した上で、国・地域別に税率を上乗せするため、米消費者にとってはランニングシューズからアップルのiPhoneまであらゆるものの価格が跳ね上がる可能性がある。

カナダのカーニー首相は、米国の関税に対する限定的な報復措置を発表し、トランプ氏の保護主義的な動きは世界貿易にとり「悲劇」という認識を示した。米国がこれまで果たしてきた国際経済協力の擁護者としての役割を放棄したとし、「世界経済は昨日とは根本的に異なるものになった」と述べた。

中国政府は米国に最新の関税措置を直ちに撤回するよう求めるとともに、自国の利益を守るために対抗措置を取ると宣言。欧州連合(EU)も対抗措置を準備しているとした。

フランスのマクロン大統領は、欧州企業に対し計画中の米国への投資を差し止めるよう呼びかけた。

韓国やメキシコ、インドなどは譲歩を求める中、当面は対抗措置を保留するとしている。

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