ボケたくなければ、片づけは自分でしなさい
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<片づけは「最高の脳トレ」だと、片づけ講座を主宰する高橋和子氏は言う。となれば、最近話題の「実家の片づけ」問題も解決できる!? 脳の認知機能を効果的に鍛える "片づけトレーニング"とは>
「片づけ」は、子どもが最初にしつけられることのひとつだろう。それなのに、「断捨離」に「ときめく片づけ」、さらに「○○整理術」「△△収納術」など、数え切れないほどの片づけノウハウが巷にあふれている。人は、いくつになっても片づけに悩まされている。
最近は「実家の片づけ」も話題になっている。高齢の親だけで暮らしている家庭では、体力と認知機能の低下によって、日々の片づけすらままならなくなるという。それによって、気づけば実家がゴミ屋敷状態になっている......というケースが多いそうだ。
こうした悩みを解決すべく、また新たな片づけ本が誕生した。それが、『ボケない片づけ 一生自分で片づけられる5つのステップ』(高橋和子著、CCCメディアハウス)だ。
本書の何が新しいかと言えば、その直球なタイトルにある「ボケない」という点。脳の認知機能を鍛えるような手順で行うことで、日々の片づけが認知症予防のトレーニングになる、というのだ。
片づけは脳の認知機能を鍛える「最高の脳トレ」
片づけ講座を主宰している著者の高橋氏によると、毎日の片づけは「最高の脳トレ」だという。なぜなら、「これは要るのか要らないのか」「ここにどういうふうに収納するのか」といったことを考える際、私たちは脳をフル稼働させているからだ。
ほんの少しのスペースを片づけただけで疲れてしまったり、思うように片づけられないと疲労感が増して嫌になってしまったり......というのも、それくらい脳を使っている証しなのだという。
そこで、脳の認知機能をより効果的に鍛えながら、だれでも自分で片づけられるようになり、かつ片づけが楽しくなるように考案されたのが、本書の提唱する"片づけトレーニング"だ。ここで重要なのが、「片づけ前のメモ」→「片づけ」→「片づけ後のメモ」という手順。これが認知症予防の鍵だという。
まず片づけ前のメモは、認知機能のうちの「計画力(段取りを考えて実行する能力)」を鍛えるため。一方、片づけ後のメモは、短期記憶を司る海馬を鍛えることで、認知機能の「エピソード記憶の想起(体験したことを記憶として思い出す)」を活用するためだ。
そして、実際に片づけをするときには、認知機能の「注意分割機能」を使う。つまり、「要るか要らないか」「どう分類するか」「捨てるかあげるか」というふうに、ひとつひとつに注意を払いながら複数のことを行う(=片づけ自体)が、認知機能を鍛えることにつながっているという。
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