最新記事

昭和の食生活

1日おきに魚と肉......栄養のかたよりを防ぐ永山流食事法

2016年11月18日(金)12時01分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

kazoka30-iStock.

<最も体にいいのは「昭和の食生活」。しかも、安くて美味く、調理も簡単だ。和食を知り尽くした食文化史研究家の永山久夫氏(85歳)が、自らの若く貧しい時代を支えた「食の知恵」を初公開。1日おきに魚と肉を食べるのがいいという>

 東北大学大学院農学研究科の都筑穀准教授の研究によると、昭和50(1975)年ごろ、日本の一般家庭で採られていた食事が最も健康的だという。あらゆる種類のダイエット法が登場しては消えていく中で、この研究は話題となった。「やはり和食が一番」という通説を裏付けるものでもあった。

【参考記事】NY著名フレンチシェフが休業、日本に和食を学びに来る!

 そんな「昭和の食生活」を自ら実践してきたのが、食文化史研究家の永山久夫氏だ。昭和7(1932)年、福島県生まれ。漫画家を目指して上京し、結婚、一児を授かるが、妻が病死。以来、貧乏暮らしをしながら仕事と子育てを続けた。昭和50年に『納豆沿革史』を上梓した永山氏は、以後、食文化史研究家として活躍するようになる。

 現在85歳、和食を知り尽くした永山氏が、自らの貧しかった時代を支えた「食の知恵」を初公開したのが新刊『ひと月1万円!体にやさしい 昭和のシンプル食生活』だ。当時の食生活を振り返るエッセイを織り交ぜながら、基本食材と121のレシピを紹介している。

 ここでは本書から一部を抜粋し、5回に分けて掲載する。第3回は「2章 永山久夫が食べてきた昭和のシンプル食材10」より。


『ひと月1万円!体にやさしい
 昭和のシンプル食生活』
 永山久夫 著
 CCCメディアハウス

※シリーズ第1回:ご飯を最後に食べる「会席料理式ダイエット」のすすめ
※シリーズ第2回:高野豆腐......凍り豆腐(高野豆腐)は植物性タンパク質の王様

◇ ◇ ◇

⑨一日おきに魚と肉......栄養のかたよりを防ぐ永山流食事法

 病気や老化に強い身体になるために大事なのがタンパク質のとり方で、私がおすすめするのは肉と魚を一日おきに食べるという食事法。私は長年この食べ方を続けています。

 肉も魚も、人間の生命維持の基本物質であるタンパク質を豊富に含んでいますが、栄養的にみると、成分が少し違う。たとえば、ビタミンD。魚には豊富に含まれているが、肉にはほとんど含まれていません。カルシウムの吸収効率を上げ、骨を丈夫にして、免疫力を高める役目を果たしているビタミンです。

 さらに魚には、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)など、健康維持に欠かせない必須脂肪酸がたっぷりです。これらの脂肪は血栓ができるのを防いだり、中性脂肪を低下させる働きがあり、さらには記憶力の若返り、アレルギー予防などにも役立っています。

 牛肉、豚肉、鶏肉は、いずれもアミノ酸バランスのいいタンパク質を豊富に含み、人間の健康をサポートしてくれます。しかもおいしく、料理しやすく、上手に買えば安く手に入ります。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシアがICBM発射、ウクライナ発表 初の実戦使用

ワールド

国際刑事裁判所、イスラエル首相らに逮捕状 戦争犯罪

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の民家空爆 犠牲者多数

ビジネス

米国は以前よりインフレに脆弱=リッチモンド連銀総裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 2
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 5
    「ワークライフバランス不要論」で炎上...若手起業家…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 8
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 9
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 10
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中