北朝鮮核実験で槍玉に挙げられるオバマの「弱腰」外交
予備選を通じてオバマ外交を批判してきた共和党のマルコ・ルビオ候補は、オバマと並んでヒラリー・クリントン前国務長官を槍玉に挙げ、オバマ政権の外交上の失策がまたもや露呈されたとコメント。
「オバマが無為無策を決め込んでいる間に、北朝鮮の狂った指導者が核軍備を拡大していると、私は選挙戦で警告し続けてきた。世界中にいるわれわれの敵はオバマの弱さにつけ込んでいる」。ルビオは、昨年オバマ政権がイランと核合意に達したこともその一例だとしている。
この機会に民主党の最有力候補であるヒラリーをつぶしにかかったのは、共和党のテッド・クルーズ、カーリー・フィオリーナの両候補だ。北朝鮮の動きは「ヒラリー外交の機能不全」を示す証左だと、フィオリーナは言い放った。
こうした共和党候補に対抗して、ヒラリーも声明を発表。国務長官時代の実績に関して評価が高いヒラリーは、中国政府に対して北朝鮮の暴走を抑えるよう求めている。 「国務長官時代、軍事力の移転も含めてアジア太平洋地域の重視へとシフトする政策を推進したのは、一つには北朝鮮などの脅威に立ち向かい、同盟国を支援するためだ。私は同盟国だけでなく、ロシアと中国にも働きかけ、かつてなく厳しい制裁に参加させた」
アメリカ政府は、今回の核実験について実態を調査中で、「水爆実験」が成功したかどうか確かめるまでにはまだ数週間かかる可能性もある。
金正恩第1書記は、元旦に発表した「新年の辞」で、「内外の反統一勢力の挑戦をはねのける」と宣言していた。北朝鮮は06年の核実験後、国連安保理の決議によって経済制裁を科せられ、核兵器開発に関わる物資などの輸出入を禁じられている。国連安保理は今回の実験後、緊急会合を開き、「地域の安全保障を深刻に脅かす」北朝鮮の動きを強く非難するという声明を出した。