「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学者が発見か
Hidden Black Holes May Be Revealed Across the Universe After Discovery
今回の研究論文の著者である、キャンベラにあるオーストラリア国立大学(ANA)に所属する天文学者の津久井崇史研究員は声明で、「我々の研究における突破口は、高エネルギー状態にある一酸化炭素から発される電波放射にターゲットを絞ったことで生まれた」と述べている。
津久井の説明によれば、この方法により「超大質量ブラックホールのすぐ近くにある高温ガスの状態を独自に明らかにした」という。
「今回の発見は、ブラックホールが、初期宇宙にあった小さな種のような状態から、超大質量ブラックホールへと成長する過程を理解するのに役立つものだ」と、津久井は述べている。
この研究はまた、こうしたブラックホールの観測を妨げている塵やガスが天文学に突きつける課題に光を当てるものでもあると、津久井は付け加えた。
超大質量ブラックホールは、物質を吸い込む際にとてつもない量のエネルギーを発する。これは実際、宇宙空間でも最も明るい天体の1つである「クエーサー」(非常に離れた距離で極めて明るく輝いているために、光学望遠鏡では内部構造が見えず、恒星のような点光源に見える天体)を生み出すと考えられている。