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中国、対米追加関税84%に引き上げ 104%相互関税に対抗

2025年04月10日(木)00時34分

 中国財政省は9日、米国からの輸入品に対する追加関税率を当初発表していた34%から84%に引き上げると発表した。10日に発動する。2022年1月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[北京 9日 ロイター] - 中国財政省は9日、米国からの輸入品に対する追加関税率を当初発表していた34%から84%に引き上げると発表した。10日に発動する。トランプ米政権が、中国に対する相互関税率を104%に引き上げ9日に発動したことを受けた措置。

財政省は声明で、「米国の対中関税引き上げは、過ちが重なったもので、中国の正当な権利と利益を深刻に侵害し、ルールに基づく多国間貿易体制を深刻に損なう」と述べた。

中国商務省は、米企業6社を「信頼できないエンティティーリスト」に、12社を「輸出管理リスト」に追加したと明らかにした。

中国政府は、世界貿易機関(WTO)に対し、米国の関税措置は世界の貿易をさらに不安定化する恐れがあると表明。

WTOへの声明で「状況は危険なほどエスカレートしている。影響を受ける加盟国の一つとして、中国は重大な懸念を表明し、この無謀な動きに断固反対する」と述べた。  

米相互関税が発動された後に中国商務省が公表した対米通商白書では、「中国が意図的に貿易黒字を追求しているわけではない」とし、「中米間の商品貿易の不均衡は、米経済の構造的問題の必然的な結果であると同時に、両国間の比較優位と国際分業の結果でもある」としていた。

<米企業に対する規制強化>

中国商務省が指定する「輸出管理リスト」に掲載されると軍民両用品の輸出が禁止され、「信頼できないエンティティーリスト」に掲載されると中国政府による懲罰的措置が可能になる。

両リストに新たに追加された合計18社は主に米国防総省や連邦政府機関に製品を供給する企業。追加関税と同じ10日に発効する。

商務省は「信頼できないエンティティーリスト」に追加した6社について、台湾への武器販売や軍事協力を行っていると指摘。中国関連の輸出入活動のほか、中国国内での投資が禁止される。

ロイターが実施した調査によると、規制の対象となった米企業は中国でほとんど事業を展開していないか、全く事業を行っていない。ただ、新たな規制により対象企業の供給網が混乱する可能性がある。

ロイター
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