今度こそ本物?「ごく少量の血液で誰でも使える検査装置」が人手不足に悩む医療現場に起こす革命
Blood, Sweat and Tears
1種類の項目だけを検査するオプションもあったが、私はトルビアンの看板商品「トゥルーウェルネス」に含まれる34項目全てを選んだ。これには包括的な臨床化学検査、脂質検査、CBC(全血球計算)、ヘモグロビンA1c、甲状腺刺激ホルモンなど、多くの一般的検査が含まれる。
マリヌッチは私のサンプル容器の中身を数回混ぜ合わせた後、装置にサンプルを固定するための四角い「サポートパック」に入れた。
装置のトレイがスライドして開くと、私は分析用ディスクとサポートパックを所定の場所に置いた。トレイがスライドして戻ると、DVDプレーヤーのように機械が回転し始めた。
マリヌッチによれば、一般的な検査ラボではさまざまな検査を行うために複数の分析装置が導入されているが、トルビアンは主要な分析機能を1台の装置に集約し、生化学試験、免疫測定、血液検査を同時に行えるようにした。
約30分後、検査結果がスクリーンに表示された。私はそれをスマートフォンのアプリで確認するため、自分のサンプルのIDを登録した。
私が注目したのは、何年も前から定期的な血液検査のたびにわずかに上昇していた2つの数値だ。案の定、トルビアンの検査でも両数値の微妙な上昇が検出された。
マリヌッチによれば、装置の精度を試したくて検査を受ける人は私が最初ではないという。トルビアンはいくつものヘルスケア・カンファレンスに見本を出展。明らかなマーカーが検出されると、多くの参加者がうれしい驚きを隠さないそうだ。
「半信半疑で来た人たちが、採血して検査結果を見て『信者』になる。『百聞は一見にしかず』だ」