最新記事
テクノロジー

今度こそ本物?「ごく少量の血液で誰でも使える検査装置」が人手不足に悩む医療現場に起こす革命

Blood, Sweat and Tears

2025年3月6日(木)10時35分
アレクシス・ケイザー(医療担当)

付きまとうセラノスの影

最近の「信者」には著名人もいる。昨年12月、泌尿器科系癌の精密医療を専門とするデサイファー・バイオサイエンシズのティナ・ノバ元社長兼CEOがトルビアンの取締役に就任。今年1月には臨床検査サービスのラボコープのデービッド・キング元CEOが諮問委員に任命された。

キングは昨年12月の本誌の独占インタビューでトルビアンの装置を称賛。病床や外来などで採血し、その場ですぐに結果が出る簡易迅速検査用の装置にはセファイド、ロシュ、シーメンスなど一流メーカーの製品が多数あるが、トルビアン製が総合力で傑出していると語った。


「ほとんど(の装置)は検査できる数が限られており、個人病院の場合はそれがネックの1つになってきた。スペースに限りがあるので、全ての検査をするために卓上型装置を何十台も設置するのは避けたいからだ」

だが著名人の後押しにもかかわらず、トルビアンにはセラノス事件の影が付きまとう。社名(英語表記は共にTで始まる)やロゴ(白地に寒色系の差し色)、装置のサイズと形、メーカーが保証する処理速度とシンプルさなどが一見似ているせいだ。

「セラノスのほころびが雪だるま式に大きくなり、投資家は同様の話に及び腰になった」と、マリヌッチは言う。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

円債は償還多く残高減も「買い目線」、長期・超長期債

ビジネス

中国の越境金融サービス促進、人民元国際化に寄与=人

ビジネス

日産2000億円追加投資、トヨタ・ホンダ現地開発E

ワールド

トランプ氏経済政策への国民の評価低下、第1次政権を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 7
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 8
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中