欧州委員長と中国首相が電話会談、米関税巡り協議

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長(写真)は8日、中国の李強首相と電話会談し、トランプ米大統領の関税によって引き起こされた問題がさらにエスカレートしないよう、交渉を通じた解決を求めた。3月撮影(2025年 ロイター/Yves Herman/File Photo)
[ブリュッセル 8日 ロイター] - 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は8日、中国の李強首相と電話会談し、トランプ米大統領の関税によって引き起こされた問題がさらにエスカレートしないよう、交渉を通じた解決を求めた。
発表文によると、フォンデアライエン氏は「世界の2大市場として、強力で改革された貿易システムを支持する欧州と中国の責任」を強調した。
また、米国の関税措置を受け、中国の安価な輸出品が欧州に流入する可能性があるとの懸念がEU内で出ていることを踏まえ、こうした動きを把握するメカニズムの設置についても協議した。
中国国営新華社通信によると、李首相はトランプ米政権の関税措置は「一方的で保護主義的」との見方を示し、中国が対抗するために発表した措置は、中国の主権と安全保障だけでなく、世界的な貿易ルールと国際的な公平性を守ることを目的としていると言及。「中国にはEUとの政治的相互信頼を強化する意向がある」と述べ、共に自由で開かれた貿易と投資を守る必要があるとの考えを示した。
米中の関税競争はエスカレートしており、トランプ大統領は7日、中国が対米報復関税を撤回しなければ、9日に50%の追加関税を課すと表明。双方が譲歩しなければ、中国製品に対する米国の関税率は104%に上昇する可能性がある。