農業の余りものが資源の宝庫? もみ殻を「炭素素材」に変えるジカンテクノのバイオマス技術
バイオマス素材の一つ「ボタニカルシリカ」
<使い道のなかった農業残渣から、シリカやグラフェンを製造。農業と工業を繋ぎ、カーボンニュートラル達成を目指す>
世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや製品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。
ジカンテクノ株式会社は、農業残渣(ざんさ)などの植物性廃棄物を活用して炭素素材などの製造開発を行う企業。農業残渣を有効活用することは、農家の負担軽減やカーボンニュートラルの達成など、多くの課題解決へと繋がっていく。
活用されず廃棄されるもみ殻を利用し、高機能素材を開発
稲は収穫した後、米として食べられるように脱穀が行われる。その際に大量に発生するもみ殻は、多くは堆肥や家畜の寝床に敷く資材として活用されるが、約3割は廃棄されているのが現状だ。廃棄量は日本全体で年間54万トンに上るという。
昔は不要なもみ殻は野焼きで処分されていたが、現在では野焼きは禁止されている。その結果、不法投棄が横行し、環境や生態系の破壊を引き起こしている。また、廃棄されずに放置されたもみ殻からはCO2の25倍の温室効果を持つメタンガスが発生するため、地球温暖化への影響が懸念されている。
ジカンテクノ株式会社は、もみ殻をはじめとするこうした農業残渣を活用し、製造業向けの素材を開発する企業だ。これまでに農業残渣を再利用し、シリカ(二酸化ケイ素、もしくは二酸化ケイ素によって構成される物質の総称)や、グラフェン(炭素原子が結びついた素材で、原子1個分の厚みの薄いシート状のもの)などの炭素材料を製造することに成功している。
「植物は生育過程で二酸化炭素を吸収して成長するので、植物の残渣(かす)を利用した素材はまさしくカーボンニュートラルな素材と言えます。また、シリカや黒鉛は鉱物資源なので採取に大きなエネルギーを必要としますが、農業残渣由来であれば、鉱物資源の採取に比べ、製造過程でも圧倒的に二酸化炭素排出が少なく済みます」と、代表取締役の木下貴博氏は語る。
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