豪大手年金基金がハッカー被害、貯蓄引き出し パスワード流出

関係者によると、オーストラリアの主要な年金基金を標的とした組織的なハッカー攻撃により、国内最大の年金基金オーストラリアンスーパーでは一部加入者の貯蓄が盗まれたほか、2万件以上の口座が危険にさらされた。(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
Christine Chen
[シドニー 4日 ロイター] - 関係者によると、オーストラリアの主要な年金基金を標的とした組織的なハッカー攻撃により、国内最大の年金基金オーストラリアンスーパーでは一部加入者の貯蓄が盗まれたほか、2万件以上の口座が危険にさらされた。
国家サイバー・セキュリティー調整官のミシェル・マクギネス氏は声明で、総額4兆2000億豪ドル(約2兆6300億ドル)にのぼるオーストラリアの退職貯蓄の口座を狙う「サイバー犯罪者」の存在を認識しており、政府、規制当局、業界全体で対応策を練っていると表明した。
業界団体であるオーストラリア退職年金基金協会は、先週末に「多数の」基金がハッカー攻撃の影響を受けたと発表。全容はまだ不明だが、国内最大のオーストラリアンスーパー、2番手のオーストラリアン・リタイアメント・トラスト、小売り業従事者の年金基金レスト・スーパー、年金基金MLCを所有するインシグニア・ファイナンシャル、ホストプラスはいずれも4日にサイバー攻撃を受けたと認めた。
オーストラリアンスーパーは、加入者350万人を抱え、3650億豪ドルを運用する国内最大の年金基金。最大600人の加入者のパスワードがハッカーに盗まれたことを確認した。
同基金の担当者は「直ちに口座をロックし、加入者に通知する措置を取った」と述べ、全加入者にオンラインで残高を確認するよう呼びかけた。
関係筋によると、オーストラリアンスーパーの加入者4人は、合計50万豪ドルを引き出され、本人のものではない口座に移されたという。
オーストラリアンスーパーからのコメントは得られていない。
オーストラリアン・リタイアメント・トラストは、加入者240万人、運用総額3000億豪ドルで、数百の口座に影響を与える「異常なログイン操作」を検知したと説明。不審な取引などはなかったものの、予防措置として影響を受けた口座をロックしたという。
レスト・スーパーは、加入者約200万人の約1%に相当する約2万の口座に影響を与える攻撃を受けたと発表。先週末に加入者アクセスポータル上での不正行為に気づき、同ポータルを閉鎖、調査を行い、サイバーセキュリティー事故対応を開始したという。
加入者180万人以上、運用総額1150億豪ドルのホストプラスの広報担当者は、加入者に損失は発生していないが、攻撃の規模について調査中だと述べた。
アルバニージー首相は、一連のサイバー攻撃について報告を受けたとし、政府機関が検討した上で対応すると説明。また、サイバー攻撃は同国では頻繁にあり、6分おきに発生していると語った。