ニュース速報
ワールド

豪大手年金基金がハッカー被害、貯蓄引き出し パスワード流出

2025年04月04日(金)17時33分

関係者によると、オーストラリアの主要な年金基金を標的とした組織的なハッカー攻撃により、国内最大の年金基金オーストラリアンスーパーでは一部加入者の貯蓄が盗まれたほか、2万件以上の口座が危険にさらされた。(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

Christine Chen

[シドニー 4日 ロイター] - 関係者によると、オーストラリアの主要な年金基金を標的とした組織的なハッカー攻撃により、国内最大の年金基金オーストラリアンスーパーでは一部加入者の貯蓄が盗まれたほか、2万件以上の口座が危険にさらされた。

国家サイバー・セキュリティー調整官のミシェル・マクギネス氏は声明で、総額4兆2000億豪ドル(約2兆6300億ドル)にのぼるオーストラリアの退職貯蓄の口座を狙う「サイバー犯罪者」の存在を認識しており、政府、規制当局、業界全体で対応策を練っていると表明した。

業界団体であるオーストラリア退職年金基金協会は、先週末に「多数の」基金がハッカー攻撃の影響を受けたと発表。全容はまだ不明だが、国内最大のオーストラリアンスーパー、2番手のオーストラリアン・リタイアメント・トラスト、小売り業従事者の年金基金レスト・スーパー、年金基金MLCを所有するインシグニア・ファイナンシャル、ホストプラスはいずれも4日にサイバー攻撃を受けたと認めた。

オーストラリアンスーパーは、加入者350万人を抱え、3650億豪ドルを運用する国内最大の年金基金。最大600人の加入者のパスワードがハッカーに盗まれたことを確認した。

同基金の担当者は「直ちに口座をロックし、加入者に通知する措置を取った」と述べ、全加入者にオンラインで残高を確認するよう呼びかけた。

関係筋によると、オーストラリアンスーパーの加入者4人は、合計50万豪ドルを引き出され、本人のものではない口座に移されたという。

オーストラリアンスーパーからのコメントは得られていない。

オーストラリアン・リタイアメント・トラストは、加入者240万人、運用総額3000億豪ドルで、数百の口座に影響を与える「異常なログイン操作」を検知したと説明。不審な取引などはなかったものの、予防措置として影響を受けた口座をロックしたという。

レスト・スーパーは、加入者約200万人の約1%に相当する約2万の口座に影響を与える攻撃を受けたと発表。先週末に加入者アクセスポータル上での不正行為に気づき、同ポータルを閉鎖、調査を行い、サイバーセキュリティー事故対応を開始したという。

加入者180万人以上、運用総額1150億豪ドルのホストプラスの広報担当者は、加入者に損失は発生していないが、攻撃の規模について調査中だと述べた。

アルバニージー首相は、一連のサイバー攻撃について報告を受けたとし、政府機関が検討した上で対応すると説明。また、サイバー攻撃は同国では頻繁にあり、6分おきに発生していると語った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=ダウ2231ドル安、ナスダック弱気相

ビジネス

NY外為市場=米ドル反発、FRB議長発言を材料視

ビジネス

TikTok米事業売却計画保留か、中国が承認に難色

ワールド

EU通商担当委員、米商務長官らと会談 関税は不当と
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描かれていた?
  • 3
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 4
    大使館にも門前払いされ、一時は物乞いに...ロシア軍…
  • 5
    テスラが陥った深刻な販売不振...積極プロモも空振り…
  • 6
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    地球の自転で発電する方法が実証される──「究極のク…
  • 9
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のため…
  • 10
    4分の3が未知の「海の底」には何がある? NASAと仏…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 8
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 9
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 10
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中