最新記事
健康

有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】

Plastic Tea Bags Update: How To Avoid Harmful Release

2025年1月21日(火)09時40分
ハティ・ウィルモス
ティーバッグ

congerdesign-pixabay

<プラスチック製ティーバッグから放出される有害物質を防ぐ方法について>

一部のティーバッグは、熱湯に浸すと何十億もの微細なプラスチック粒子を放出し、健康に悪影響を及ぼし、がんのリスクを高める可能性がある。しかし、すべての紅茶が同等に危険というわけではない。

スペインのバルセロナ自治大学 (Universitat Autònoma de Barcelona, UAB) の最新研究によると、さまざまなティーバッグがヒトの細胞に与える影響が明らかになった。一部のティーバッグが熱湯で抽出される際に、1ミリリットル(1滴)あたり約12億個のプラスチック粒子を放出することが判明している。


 

本研究の執筆者の1人であるバルセロナ自治大学のリカルド・マルコス・ダウデル教授は本誌の取材に対して、このように語っている。

「私たちはつねにマイクロプラスチックやナノプラスチックにさらされています。何も特別な条件や場所のもとではなく、紅茶を淹れるという行為でさえ、毎度、何百万個、あるいはそれ以上のナノプラスチック粒子やナノプラスチックを摂取しているのです」

安全にお茶を飲む方法とは?

プラスチックの摂取を避けるには、一部のティーバッグで安全なものがある。バルセロナ自治大学の研究チームが分析したティーバッグには「ポリプロピレン(PP)」、「セルロース」、「ナイロン」が含まれていたが、市販されているティーバッグの中にはプラスチックを使用していないものもある。

ティーバッグにプラスチックが含まれていないかを確認するには、パッケージをチェックする必要がある。「プラスチックフリー」、「生分解性(biodegradable)」、「堆肥化可能(compostable)」といった表示があるブランドは、プラスチックを含まない可能性が高い。

また、箱に「PP(ポリプロピレン)」、「PET(ポリエチレンテレフタレート)」、「ナイロン」と記載されている場合、そのティーバッグにはプラスチックが含まれている[編集部注:日本では、PP、PS、PEと表記されていることが多く、それぞれ「ポリプロピレン」「ポリスチレン」「ポリエチレン」を意味する]。

こういったプラスチックを避けるもう1つの方法は、茶葉をそのまま使用し、プラスチックを含まない、ステンレス製の茶こしを使用することである。

カルチャー
手塚治虫「火の鳥」展 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必…
  • 9
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中