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トランプ米政権、サウジに1000億ドルを超える兵器売却も=関係筋

2025年04月25日(金)11時59分

 4月24日、トランプ米政権がサウジアラビアに対して総額1000億ドル相当を大きく超える兵器の売却を検討していることが分かった。写真はトランプ大統領。ワシントンのホワイトハウスで23日撮影(2025年 ロイター/Leah Millis)

[ワシントン/リヤド 24日 ロイター] - トランプ米政権がサウジアラビアに対して総額1000億ドル相当を大きく超える兵器の売却を検討していることが分かった。事情を直接知る6人の情報筋がロイターに明らかにした。

バイデン前政権はサウジアラビアとイスラエルとの国交正常化に向けた広範な取り決めの一環として、サウジアラビアとの防衛協定をまとめようとして頓挫していた。バイデン前政権はサウジアラビアが中国製の武器購入を停止し、中国からの対サウジアラビア投資を制限させる見返りに、より先進的な米国製兵器を取引することを目指していた。

ロイターは、トランプ政権の提案に同様の要件が含まれているかどうかを確認することはできなかった。

ホワイトハウスとサウジアラビア政府の報道担当者にコメントを要請したものの、すぐには返答がなかった。

米国防総省の当局者は「サウジアラビアとの防衛関係は、トランプ大統領のリーダーシップの下でこれまでよりも強固なものとなっている。安全保障上の協力の維持はこのパートナーシップの重要な要素であることに変わりはなく、サウジアラビアの防衛ニーズに対応するために引き続き協力していく」と言及した。トランプ大統領は1期目の在任中、サウジアラビアへの兵器売却は米国の雇用につながると称えていた。

2人の情報筋は、米ロッキード・マーチンがC130輸送機を含めたさまざまな先進兵器システムを供給する可能性があると語った。ある情報筋は、ロッキード・マーチンがミサイルやレーダーも供給するとの見通しを示した。

4人の情報筋は、RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)もボーイング、ノースロップ・グラマン、ゼネラル・アトミックスなど米防衛大手からの供給を含めた兵器売却で重要な役割を果たすと予想した。

RTX、ノースロップ、ゼネラル・アトミックスはいずれもコメントを拒否した。ボーイングはコメント要請にすぐには回答しなかった。ロッキード・マーチンの広報担当者は、対外軍事販売は政府間取引だと説明した。

米国の法律では、主要な国際兵器取引は最終決定前に議会議員の審査を受けなければならない。

米国は長年にわたってサウジアラビアに武器を供給しており、トランプ氏は1期目の17年に約1100億ドル相当の兵器売却を提案した。

しかし、18年時点では145億ドル相当の兵器売却が始まったばかりで、駐トルコのサウジアラビア総領事館でサウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏が殺害された事件を受けて米連邦議会からは疑問視する見方が出た。

バイデン前政権下で議会は21年、カショギ氏殺害事件への抗議とともに、民間人に多大な犠牲者を出したイエメンでの内戦の終結を迫るためにサウジアラビアへの兵器売却を禁じていた。

ロイター
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