最新記事
健康

普通の「おつまみ」で認知症リスクが低下する可能性【最新研究】

Common Snack May Reduce Dementia Risk

2024年11月9日(土)07時10分
パンドラ・デワン
ナッツ

Radfotosonn-pixaba-

<よくあるスナックが認知症を防ぐ助けになる...。スペインとポルトガルの研究チームによるデータ分析結果とは?>

アメリカ疾病予防対策センター(CDC)によると、65歳以上のアメリカ人のうち500万人以上が認知症に罹患している。認知症にはいくつか種類があり、最も一般的なのはアルツハイマー病だ。これは記憶、思考、意思決定などの能力低下を特徴としている。

現在、アルツハイマー病の治療法は見つかっていない。しかし、食生活を含む生活習慣を変えることで症例のうちの45%の進行を遅らせたり、予防できる可能性があると神経科学者らは見ている。

「GeroScience」誌に発表されたスペインとポルトガルの研究者らによる最新研究によると、ナッツの摂取が認知症リスクの低減に強い関連性があることが、成人5万人以上を対象にした調査結果で明らかになった。

【動画】50代以降、8つのナッツでアルツハイマーのリスクが低減 を見る


 

さまざまな疾患の発症に関して、遺伝要因と環境要因を調査する生物医学データベース「UKバイオバンク」から最初の評価から平均7年間追跡調査を受けた、40歳から70歳の被検者のデータをコーホート(要因対照)分析。

その結果、毎日ナッツを食べた人々は認知症の発症リスクが12%低いことが判明。また、1日に一握りのナッツを食べた被検者のリスク低減率は16%であった。無塩ナッツのほうが、有塩のよりもより良い効果があることも確認された。

これらの結果は観察データに基づいているため、ナッツが認知症を防ぐことを決定的に証明するものではない。しかし、ナッツの摂取が脳の健康に利益をもたらすことを示す先行研究とも一致している。

たとえば、2014年に「栄養・健康・加齢雑誌(Journal of Nutrition, Health, and Aging)」で発表された、アメリカの看護師1万6000人を対象とした研究では、少なくとも週5回ナッツを食べた人が、食べなかった人よりも認知機能テストで良い成績を収めたことが示されている。

自動車
DEFENDERとの旅はついに沖縄へ! 山陽・山陰、東九州の歴史文化と大自然、そして沖縄の美しい海を探訪するロングトリップ
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国副首相が米財務長官と会談、対中関税に懸念 対話

ビジネス

アングル:債券市場に安心感、QT減速観測と財務長官

ビジネス

米中古住宅販売、1月は4.9%減の408万戸 4カ

ワールド

米・ウクライナ、鉱物協定巡り協議継続か 米高官は署
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中