EU、パレスチナ自治政府への資金援助拡大 改革促す

欧州連合(EU)はパレスチナ自治政府への資金支援を拡大し、3年間で約16億ユーロ(18億ドル)を援助する。欧州委員会のシュイツァ委員(地中海担当)がロイターとのインタビューで述べた。ベルギーで3月に撮影したシュイツァ委員(2025年 ロイター/Yves Herman)
Andrew Gray
[ブリュッセル 14日 ロイター] - 欧州連合(EU)はパレスチナ自治政府への資金支援を拡大し、3年間で約16億ユーロ(18億ドル)を援助する。欧州委員会のシュイツァ委員(地中海担当)がロイターとのインタビューで述べた。
資金援助と同時にパレスチナ自治政府の改革を促す。自治政府は汚職や統治能力の問題が指摘されている。
同委員は「われわれはパレスチナ自治政府の改革を望んでいる。改革を進めなければ、強くかつ信頼できる存在にはなれず、われわれだけでなく、イスラエルにとっても交渉相手としての役割を果たせない」と述べた。
ルクセンブルクでは21日、EU加盟国の外相とパレスチナ自治政府のムスタファ首相らとの間で初の「ハイレベル政治対話」が行われる。
パレスチナ自治政府はEUの支援を歓迎。「人道的状況は厳しく、問題は悪化しているが、今回の支援で国家機関が持ちこたえ、サービスを提供する能力を強化できる」と述べた。
EUはパレスチナ自治政府が将来的に戦後のガザ地区を統治することに期待を寄せている。
同委員によると、今回の支援では6億2000万ユーロを自治政府の財政支援と改革に、5億7600万ユーロをヨルダン川西岸とガザの「回復力と復興」に充てる。欧州投資銀行(EIB)も4億ユーロの融資を提供する予定。
同委員は「われわれは今、パレスチナ自治政府に信頼できる形で投資している」と述べた。