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普通の「おつまみ」で認知症リスクが低下する可能性【最新研究】

Common Snack May Reduce Dementia Risk

2024年11月9日(土)07時10分
パンドラ・デワン

さらに、2023年に「臨床栄養学(Clinical Nutrition)」誌で発表された別の研究では、16週間にわたり1日に2握りの(くるみ、ピスタチオ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツを含む)ミックスナッツを食べた高齢者の記憶力、そして脳への血流が大幅に改善したことが示されている。

特にくるみは脳の健康に良いとされており、毎日1個のくるみを食べることが、特に高齢者の反応時間の向上や認知テストの結果にも有意に働いていた。


 

この最新研究論文の筆者らによると、ナッツの摂取は血管の健康を改善し、血圧や炎症を低下させる可能性がある。これはナッツに含まれる高濃度の健康的な脂肪やビタミンによるものと考えられる。

また、多くのナッツに含まれているビタミンEも脳の健康を守る役割を果たすであろうと研究者らは記している。

【参考文献】
Livingston, G., Huntley, J., Liu, K. Y., Costafreda, S. G., Selbæk, G., Alladi, S., Ames, D., Banerjee, S., Burns, A., Brayne, C., Fox, N. C., Ferri, C. P., Gitlin, L. N., Howard, R., Kales, H. C., Kivimäki, M., Larson, E. B., Nakasujja, N., Rockwood, K., Samus, Q., ... Mukadam, N. (2024). Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet standing Commission. Lancet, 404(10452), 572-628.

O'Brien, J., Okereke, O., Devore, E., Rosner, B., Breteler, M., & Grodstein, F. (2014). Long-term intake of nuts in relation to cognitive function in older women. The Journal of Nutrition Health & Aging, 18(5), 496-502.

Nijssen, K. M., Mensink, R. P., Plat, J., & Joris, P. J. (2023). Longer-term mixed nut consumption improves brain vascular function and memory: A randomized, controlled crossover trial in older adults. Clinical Nutrition, 42(7).

Arab, L., & Ang, A. (2014). A cross sectional study of the association between walnut consumption and cognitive function among adult us populations represented in NHANES. The Journal of Nutrition Health & Aging, 19(3), 284-290.

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