最新記事

「生野菜よりも、冷凍野菜のほうが健康的」...ブロッコリー、えんどう豆など「栄養・価格・食品ロス」を専門家が語る

'A Great Option': the Frozen Vegetables That Are Healthier Than Fresh

2024年11月4日(月)10時20分
ハッティ・ウィルモス
冷凍野菜

New Africa-shutterstock

<冷凍食品は体に悪いというイメージがあるが、すべてがそうではないと専門家が指摘する>

冷凍食品売り場に並ぶピザやチキンナゲットは健康的な食品として知られているわけではない。しかし、冷凍野菜は生野菜よりも健康によい可能性がある...。そう語るのは栄養療法士(食事療法の専門家)のミレーナ・マストロイアーニ氏だ。

「冷凍野菜は収穫されてすぐに冷凍されることが多いため、最も栄養が豊富な状態を保っています。そのため収穫後に長い時間で輸送や保存されることの多い、店頭に並ぶ生鮮野菜よりも多くの栄養素を保持するなど、実際には優れた選択肢なのです」

【実験動画】生野菜と冷凍野菜の栄養価、どちらが高い結果に? を見る


 

同じく栄養療法士のアンナ・アーリー氏も同意見で「一般的に冷凍野菜は栄養成分と抗酸化レベルを保持していますが、生鮮野菜は時間の経過とともにこれらの成分が減少します」と述べる。

畑で熟成する時間が長く、野菜は土壌からビタミンやミネラルなどの有益な成分を吸収する時間が多い。冷凍野菜は収穫時ギリギリまで長く畑にあるため、収穫時の栄養価が高くなる特徴がある。

一方で、生鮮食品として販売される生野菜は一般的に早めに収穫され、輸送中や店頭で熟成する。そのため土壌から栄養を吸収する時間が少なくなるのだ。

また、冷凍することによって、本来失われるはずだった栄養素を保存できる利点もあるとマストロイアーニ氏は次のように述べる。

「冷凍野菜の中で最もよい選択肢としては、ほうれん草、いんげん、ブロッコリーなどの緑の野菜です。これらの野菜は栄養を失いやすいからです。

たとえば、ビタミンCは収穫後すぐに失われますが、ブロッコリーは冷凍することでビタミンCをすべて保持します。高温、または常温で保存すると7日以内に56%までビタミンCは失われてしまうのです」

アーリー氏のおススメの冷凍野菜はエンドウ豆であるとして次のように述べる。

ビジネス支援
地域経済やコミュニティを活性化させる「街のお店」...その支援が生み出す、大きな効果とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

三菱重の4━9月期営業益86.7%増、防衛・宇宙な

ワールド

豪中銀、予想通り金利据え置き 根強いインフレ圧力見

ワールド

NZ経済、先行き厳しい 失業増大や企業投資延期=中

ワールド

中国首相「開放加速し単独主義に対抗」、成長目標達成
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米大統領選と日本経済
特集:米大統領選と日本経済
2024年11月 5日/2024年11月12日号(10/29発売)

トランプ vs ハリスの結果次第で日本の金利・為替・景気はここまで変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大人気」の動物、フィンランドで撮影に成功
  • 2
    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王子の映像が話題に...「不幸なプリンセス」メーガン妃との最後の公務
  • 3
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄道計画が迷走中
  • 4
    「生野菜よりも、冷凍野菜のほうが健康的」...ブロッ…
  • 5
    ネアンデルタール人「絶滅」の理由「2集団が互いに無…
  • 6
    在日中国人「WeChatで生活、仕事、脱税」の実態...日…
  • 7
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 8
    日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後…
  • 9
    NASA観測が捉えた「アトラス彗星の最期...」肉眼観測…
  • 10
    「これぞプロ」 テイラー・スウィフト、歌唱中のハプ…
  • 1
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴出! 屈辱動画がウクライナで拡散中
  • 2
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大人気」の動物、フィンランドで撮影に成功
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
  • 5
    日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後…
  • 6
    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…
  • 7
    幻のドレス再び? 「青と黒」「白と金」論争に終止符…
  • 8
    脱北者約200人がウクライナ義勇軍に参加を希望 全員…
  • 9
    世界がいよいよ「中国を見捨てる」?...デフレ習近平…
  • 10
    「第3次大戦は既に始まっている...我々の予測は口に…
  • 1
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 2
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 6
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 7
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 8
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 9
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 10
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中