最新記事
K-POP

NewJeansはどうなる? 所属事務所代表を親会社が告発へ、今後の予想シナリオ ベストvsワースト

2024年4月25日(木)22時12分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

ファンがミン・ヒジンを糾弾するデモ

一方、NewJeansのファンはミン・ヒジン代表に否定的だ。24日、ニュージーンズの一部のファンはソウル龍山区(ヨンサング)のハイブ社屋前でトラックデモを行い、ミン·ヒジンを糾弾した。

トラックに載せられたパネルビジョンには「バニーズ(NewJeansのファンの愛称)はハイブ所属のNewJeansを支持する」「ミン・ヒジンはこれ以上NewJeansを利用するな」「ミン・ヒジンは他のアーティストの誹謗を直ちに止めろ」等のメッセージが出され、NewJeansが盾にされる状況に対して憂慮の思いを表した。

NewJeansの日本デビュー直前になぜ?

今回の問題で一番懸念されているのがファンも心配するようにNewJeansの活動への影響だ。なぜなら彼女たちは5月24日と6月21日にそれぞれ韓国と日本でダブルシングルを発売し、6月26・27日に東京ドームでファンミーティングを開催する計画になっているからだ。

なぜこの重要なタイミングでハイブはNewJeansの所属事務所を潰すような監査を行ったのかという疑問の声もある。実際、今回の騒動が報じられるとハイブの株価が暴落した。7%以上暴落した。韓国取引所によると、22日、前取引日対比7.81%(1万8000ウォン)下落した21万2500ウォン(約23,852円)で取引を終えた。このような株価下落で、ハイブの時価総額は7,498億ウォン(約841億円)蒸発した。これはBLACKPINKの所属事務所YGエンターテインメントの時価総額(8,187億ウォン)に匹敵する金額だ。

だが仮にこの問題が長引いてNewJeansの今後の活動に支障が出てきても、ハイブにとってビジネス的には大きな障害とはならないという声がある。

NH投資証券のイ・ファジョン研究員は「2023年のハイブへのアドアの営業利益寄与はNewJeansの2つのアルバム発売にともなうアルバムおよび音源で売上高の11%。2024年の当社推定ではアドアの営業利益寄与度はNewJeansの3つのアルバムおよび日本での東京ドーム公演を勘案して14%だ」と分析した。

また「下半期NewJeansの活動が中断されるとしても実質的には1つのアルバム発売のキャンセルに止まると見られ、ハイブの今年実績に対する影響は10%未満だろう」と説明する。そしてこうした懸念点はすでに株価に反映された状態だと語った。

その理由として同研究員は、ハイブ傘下の他のレーベル所属アーティストであるBTS、SEVENTEEN、TOMORROW X TOGETHER、LE SSERAFIM、ILLET、TWSなどに言及し、「(ハイブは)効率的なコンテンツ製作力および新人開発力を備えており、一つのレーベルへの依存度が高くない」と話した。 今回の騒動に対して「早期に円満に解消されるのが一番良いが、もしそうでない状況になってもハイブの中長期成長力への影響は限定的だろう」と見通した。

NewJeansそしてミン・ヒジンを失ったとしてもハイブにとってはさほど大きな痛手にはならず、それよりもコーポレートガバナンスを重要視したということだろうか。

果たして今後の展開はどうなる?

ついに「NewJeansの母」と呼ばれてきたミン・ヒジン代表が告発されるような状況にまでいたった今回の騒動。果たして今後どういう展開になるのだろうか?

一連の問題が発生した22日時点では、ハイブとミン・ヒジン代表の和解を望む声もあったが、ここまで至ってはそれはあり得ない状況だ。

既に決まっていることとして、ハイブはアドアに理事会招集を要求している。理事会は30日に開催予定で、ハイブがオドアの持分を80%を持っているだけにミン·ヒジン代表の解任を要求するものと見られる。ただ、アドア理事陣の大半がミン·ヒジン代表の側近によって占められているだけに、彼らが欠席して理事会自体が成立しない可能性が高い。その場合、ハイブは裁判所に株主総会招集を申請し、裁判所の決定によって臨時株主総会招集が進められる可能性が高い。その場合は2カ月ほどの時間がかかると見られている。

自動車
DEFENDERの日本縦断旅がついに最終章! 本土最南端へ──歴史と絶景が織りなす5日間
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:経済対策要求、参院選にらみ与野党で林立 規模

ワールド

ベトナム政府、トランプ関税回避へ中国製品の取り締ま

ビジネス

英中銀、6億ポンド規模の長期債入札を延期 市場の混

ワールド

米国の天然ガス、今年は生産と需要が過去最高に=EI
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 3
    「やっぱり忘れてなかった」6カ月ぶりの再会に、犬が見せた「全力のよろこび」に反響
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 10
    右にも左にもロシア機...米ステルス戦闘機コックピッ…
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 7
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 8
    「やっぱり忘れてなかった」6カ月ぶりの再会に、犬が…
  • 9
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 10
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 3
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中