「クイーンは4人の若者が共に抱いた夢だった」...メイとテイラーが語る50年
Queen’s Golden Jubilee

80年のシングル「セイヴ・ミー」のジャケット写真に並ぶ若き日の4人 NEAL PRESTON/QUEEN PRODUCTIONS LTD
<4人の若者が夢の成功をつかみ、悲劇を経て未来へ。ブライアン・メイとロジャー・テイラーが伝説の50年を振り返る>
このバンドはいける──。成功の手応えを初めて感じた瞬間を、ブライアン・メイは今でも覚えている。
1973年、クイーンはメイの母校インペリアル・カレッジ・ロンドンで公演を行った。在学中、彼はイベント委員会に所属し「1000ポンドのギャラでジミ・ヘンドリックスを呼んだ」こともあった。
「ジミと同じ大講堂で演奏する日が来た」と、彼は振り返る。「ギャラは1000ポンドも出なかったが、会場は大入り。観客が全ての曲に反応してくれたのは、あのライブが初めてだった。興奮でゾクゾクし、エネルギーと成功への確信が体中を駆け巡った」
メイ、ロジャー・テイラー、ジョン・ディーコンとフレディ・マーキュリーの4人がクイーンを結成して今年で50年。イギリスを代表するバンドの人気は、今も衰えない。
70~80年代にヒットしたロックアンセムは今もラジオで流れ、CMやスポーツイベントで使われる。2018年には91年に死去したマーキュリーの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットし、新たなファンを獲得した。
「今でも現実とは思えない」
今年は50周年を祝うキャンペーンがめじろ押しだ。
YouTubeの公式チャンネルでは50週連続で貴重な瞬間を切り取った映像を1本ずつ公開。イギリス史上最も売れたアルバムである81年の『グレイテスト・ヒッツ』が再発売され、9月にはロンドンで記念グッズを扱うショップが期間限定でオープンした。
来年はアメリカの歌手アダム・ランバートをボーカルに迎えて、ヨーロッパツアーを行う(ディーコンは97年に引退したため不参加)。
「今もバンドに存在感があり、人々が私たちの音楽を楽しんでくれることに日々驚いている」と、72歳になったテイラーは言う。「最高の気分だ。こんな未来を誰が予想しただろう」
「今でも現実とは思えない」と、74歳のメイも語る。「クイーンは4人の若者が共に抱いた夢だった。成功すると思う根拠は1つもなかったが、私たちには夢があった。その夢が奇跡的に、想像もしないスケールで実現した」
メイが父親と手作りした愛器「レッド・スペシャル」で繰り出すきらびやかなギターサウンド、ディーコンのメロディアスなベース、テイラーのパワフルなドラム、そしてマーキュリーのカリスマと驚異的な声域──。
ポップス、ヘビーメタル、ファンクにディスコを取り入れた唯一無二のハードロックの裏には、4つの才能の相乗効果があった。「個性はばらばらだったが、4人とも全力で音楽に打ち込んだ。クイーンはその化学反応のたまものだ」と、テイラーは説明する。