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ブログ世代のガールズライフ

2009年4月7日(火)16時36分
ラミン・セトゥデ(エンターテインメント担当)

10代なのに立派なセレブ

 20代の男女よりもっと若い、青春真っ盛りのドラマが見たいという人には『ゴシップガール』がおすすめ(日本ではスーパー!ドラマTVにて09年独占初放送予定)。人気青春ドラマ『The OC』の生みの親ジョシュ・シュワルツが手がけた、ニューヨークのアッパーイーストサイドにあるリッチな私立高校が舞台のドラマだ。

 リアリティードラマではないが、『ヒルズ』との共通点は多い。登場する高校生はいずれも裕福な家庭の子供たちで、高級ファッションに身を包み、小遣い?にも困らない。社会問題や政治より、関心はもっぱらルックスや恋愛のことばかり。ドラマは「ゴシップガール」というハンドルネームの女の子が、高校で起きた出来事をブログにつづる形で展開していく。

 ニューヨークのリッチでおしゃれな家庭ならさぞかし幸せだろうと思うが、このドラマが描く現実はまるで逆だ。視聴者は「うちはセレブ家庭でなくてよかった」と胸をなで下ろすだろう。

 主人公のセリーナ・バンダーウッドセン(ブレーク・ライブリー)は、その貴族的な名前にふさわしい華麗なバッドガールだ。アルコールや麻薬におぼれ、高校で問題になったため、母親に寄宿制の学校に入れられてしまう。

 セリーナは親友ブレア・ウォルドーフ(ライトン・ミースター)の彼氏を寝取ったらしい。セリーナが寄宿学校から高校に戻ってくると、ブレアは「しかと」を決め込み、ほかの女生徒たちも仲間に引き込む。孤立したセリーナは、ブルックリンの庶民的な家庭育ちで、オタクっぽいが心優しいダン・ハンフリー(ペン・バッジュリー)に引かれはじめる。

 この作品の登場人物たちは、ティーンなのにいっぱしのセレブ並みの生活を送っている。ブレアはアッパーイーストサイドの母親のアパートでしょっちゅう豪華なパーティーを開く。このドラマで最も魅力的な登場人物の一人、ジョージナ・スパークス(ミッチェル・トラクテンバーグ)は、セリーナの旧友からたちまち敵に変身し、ダンを横取りしようとする。

 同時にこのドラマには、何人かの大人が重要な脇役として登場する。そのため親の世代には『ヒルズ』より受けがいい。『ヒルズ』で若者に影響を与える大人といえば、ローレンに小言を言う上司のリーサくらいだ。

 批評家も『ヒルズ』よりオーソドックスな青春ドラマの『ゴシップガール』に総じて好意的だ。「こじゃれた仕上がりのメロドラマ」と、ニューヨーク・タイムズのTV評担当アレッサンドラ・スタンリーは評している。

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