ビットコインはインフレヘッジ手段として賢明だが、不安はある
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ハッカーが仮想通貨を作ったら
ビットコインの価格は大きく変動するが、ボラティリティー(価値の変動率)の高さとリスクは必ずしも同じではない。
2020年は経済活動の停止に伴う需要の急減を受けて、原油先物価格が一時マイナスを記録したが、石油は世界経済を支える基本物資であり、やがて価格は反騰した。
ビットコイン価格を上昇させたのは、インフレに対する直接的な懸念のようだ。バイデン政権がコロナ対策の景気刺激策に続き、3月末に2兆ドル強のインフラ投資計画を発表したことを考えると、インフレヘッジの手段として仮想通貨に懸けるのは賢明な選択かもしれない。
だがビットコインへの長期投資は結局、将来の値上がりを夢見ているだけではないのか。アダム・スミスは『国富論(諸国民の富)』でこう述べた。
「ある王子が税金の一定割合を特定の紙幣で支払うように定めたとすれば、それによってこの紙幣に一定の価値を与えることができる。ただし、最終的な弁済や償還の条件は全面的に王子の意思に依存する」
ビットコインは分散型の仮想通貨であり、「王子」はいない。だがもしスーパーハッカー集団が、もっと発行総量の少ない別の仮想通貨を作ったらどうなるか。
問題は、ビットコイン価格が暴落してもアダム・スミスに相談できないことだ。

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