最新記事

日本社会

「いつか会社を見返してやる」 そう言って早期退職したシニアたちの哀しい末路

2020年11月11日(水)11時15分
寺田 淳(行政書士) *PRESIDENT Onlineからの転載

早期退職で失敗する人には共通点があるという。howtogoto - iStockphoto

<コロナ禍で多くの企業が早期・希望退職の実施に踏み切っている。応じてもいいのだろうか。早期退職経験者で、現在は行政書士として中高年の相談を多く受けているという寺田淳氏は「早期退職で失敗する人には共通点がある」という――>

「なぜ生え抜きの私が優遇されないんだ」と退職

ほぼ一昔前の2008年秋から始まったリーマンショックの時に、生き残り策の一環としてのリストラや割り増し退職金による早期退職勧奨が多くの企業で実施されました。

そして今、先の見えてこないコロナ禍によってあの事態が再来する可能性が濃厚になっています。実際に早期退職に応募した結果、明暗が分かれたケースは少なくありません。ここでは実例に基づく、早期退職後の失敗例の中から、特に管理職世代を中心に紹介したいと思います。なお、年齢と役職は退職時のものです。

【事例1】処遇への不満からの選択
・55歳営業企画部部長

「なんで生え抜きの私が彼の下風に立たなくてはいけないのか!」彼の不満は企画部生え抜きの自分ではなく、他事業部から異動してきた「外様」が部のトップに就任したことでした。正直な話では実力差があることは認識しており、年齢も近いため、ほぼ自分が企画部長になる可能性が無くなったことは感じてはいたのですが、結局「この会社は自分のポテンシャルを活かせないダメな会社、組織だから」という結論に納得し、早期退職に応じました。できれば同業他社に再就職をして見返してやると考えていましたが、10カ月間の再就職活動は全て虚しい結果となり、ようやく異業種で契約社員として営業職に就いたそうです。

同業他社に転職できると思っていたのに......

【事例2】本音と建前の見極めの失敗
・52歳営業所長

「得意先だけでなく、競争相手の同業他社もことあるごとに私の営業センスを称賛してくれて、すぐにでもウチの会社で営業マンを鍛えてほしいと言われ続けていたんです」
「そりゃ、営業一本で首都圏の大型拠点長を同期のトップで就任したという自負がありましたし、まだまだ自分のノウハウやスキルは役に立つとも」

この営業所長は若くして所長に就任したものの、その後やや伸び悩んでいました。そこで「この好機を活かしてステップアップを目指す!」と早期退職に応じたのですが、見事な手のひら返しで同業他社への再就職は叶わず、結局は人材派遣会社の派遣社員に落ち着きました。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国格付け、公的債務急増見込みで「A」に引き下げ=

ビジネス

トランプ氏、対中関税軽減も TikTok売却承認な

ワールド

デンマーク首相、グリーンランド併合を断固拒否 米に

ビジネス

米国株式市場=急落、ダウ1679ドル安 トランプ関
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 2
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のために持ち込んだ?
  • 3
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 6
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中