ドイツ、25年はゼロ成長と予測 米関税による混乱が影響へ

4月24日、ドイツ政府は、2025年の経済成長率予測を0.3%からゼロに下方修正した。フランクフルトの銀行街。2024年2月、フランクフルトで撮影(2025年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
[ベルリン 24日 ロイター] - ドイツ政府は24日、2025年の経済成長率予測を0.3%からゼロに下方修正した。世界的な貿易を巡る不確実性で経済成長が阻害され、投資が落ち込むとみている。
ドイツは主要7カ国(G7)で唯一、過去2年間プラス成長を達成できなかった。トランプ米大統領の関税措置の影響を受けて、史上初めて3年連続でプラス成長を達成できない可能性もある。
輸出主導のドイツ経済は、自国製品に対する世界的な需要低迷と外国企業との厳しい競争によりすでに苦境に立たされていた。
ハーベック経済相は欧州連合(EU)と米国に貿易問題で解決策を見出すよう求めるとともに、必要であればEUも対抗策を準備するよう求めた。
「ドイツ経済は米国の予測不可能な貿易政策により再び大きな課題に直面している。世界のサプライチェーンに密接に統合されていること、対外貿易の自由度が高いことを考慮すると、米国の新たな保護主義はわが国の経済成長に直接的、間接的に重大な影響を及ぼす可能性がある」との声明を発表した。
26年の経済成長率予測については、1月時点の1.1%から1%に小幅に下方修正した。
今年の輸出は昨年の1.1%減に続き2.2%の減少になると予想されている。来年は1.3%増の見込み。
インフレ率は、今年は2%、来年は1.9%と予想している。昨年は2.2%だった。