米中通商合意に早くも危機説 中国の米農産品購入に懐疑的見方強まる
課題残る
合意文書によると、中国はバイオ技術を使った農産品の輸入審査を2年以内に短縮することを約束。中国による遺伝子組み換え作物(GMO)の承認は最大7年かかるため、米国はかねてから不満を訴えていた。
種子生産を手掛ける独バイエルや独BASFが加盟する業界団体BIOの幹部、マット・オマラ氏は「中国がどのように合意を実行するのかを見極める必要がある」と述べた。同氏によると、中国はバイオ技術を使った農産品に対する審査を他国による承認があるまで開始しないとみられるため、迅速な承認への課題は残る。
署名式に出席した全米大豆協会の会長、ビル・ゴードン氏は「私たちの取り組みは終わっていない」と指摘。「今後も多くの交渉が行われ、関税の緩和措置が取られるだろう」とした。
中国側は牛肉輸入でも譲歩し、月齢規制の撤廃に合意したほか、ホルモン剤使用の制限や血統情報の記録を義務付ける規制も緩和する。
全米肉牛生産者・牛肉協会の国際貿易・市場アクセス担当ディレクター、ケント・バッカス氏はこれらの規制変更によって対中輸出可能な米国産牛肉が広がると説明。「これは大きな変化だ」とし、「中国側が米制度の安全性を認めたということだ」と語った。
米大手穀物商社のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)とカーギル[CARG.UL]、そして種子大手のコルテバは、第1段階合意を称賛する発表文をそれぞれ出した。
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