EUが対抗措置を90日間保留、米関税一時停止を欧州委員長評価

4月10日、欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、トランプ米大統領が数十カ国に対する上乗せ関税を一時停止したことについて、世界経済の安定に向けた重要な一歩だと述べた。ブリュッセルで9日撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[ブリュッセル 10日 ロイター] - 欧州委員会のフォンデアライエン委員長は10日、トランプ米大統領が数十カ国に対する上乗せ関税を一時停止したことを受け、欧州連合(EU)による対抗措置を90日間保留すると発表した。
EUは米国による鉄鋼・アルミニウムへの25%関税への対抗措置として、210億ユーロの米国からの輸入品に15日から対抗関税を課す予定だった。米自動車関税と実施された10%関税への対応は検討中だった。
委員長はXへの投稿で「我々は交渉の機会を与えたい」とし、最終的な対抗措置を策定する一方で90日間の保留を明らかにした。
これに先立ち委員長は 米国の一時停止を世界経済の安定に向けた重要な一歩だと評価。引き続き米国と建設的な交渉を尽くし、「摩擦のない、互恵的な貿易」の実現を目指すと表明。Xに投稿した声明で「貿易とサプライチェーン(供給網)が機能するためには明確で予測可能な環境が不可欠だ」と訴えた。
同時に、欧州は引き続き貿易パートナーシップの多様化に重点を置くとしたほか、単一市場における障壁の撤廃に向けた取り組みを強化していると説明した。
「今回の危機で一つはっきりしたことがある。それは不確実な時代において、単一市場は安定性と強靭性の支えであるということだ」とも述べた。