止まらぬ原油安、株安の追い打ちで膨らむリセッション懸念
2016年1月22日(金)11時54分
ブラジルやサウジアラビアなど、コモディティを輸出する新興市場諸国にとって、これでは踏んだり蹴ったりだと、アクシオマのダシエ氏は語る。米ドル建ての債務が拡大する一方で輸出収益が減少することになるからだ。
「こうした国々は恐らく赤字になるから、その手当てのために、たぶんドル建てで新規国債を発行することになる。ドルは今後上昇し、米国の金利は上昇する」とダシエ氏は言う。「これは、二重三重の痛手になる」
もちろん、石油価格が安定、あるいは上昇して、株価が元気を取り戻す可能性はある。
「今のところ石油価格が下方にオーバーシュートしているため、このテーマはすでに燃え尽きつつあり、石油価格が底を打って市場が広い範囲で落ち着く、というのはありそうな話だ」とヘンダーソン・グローバル・インベスターズ(ロンドン)のマルチアセット部門の共同主任ポール・オコナー氏は言う。
だが、イランに対する欧米の制裁解除に伴い、グローバルな石油の供給過剰はいっそう拡大する可能性が高いため、少なくとも短期的には、さらなる苦痛が待ち構えていることになりかねない。
(Nichola Saminather記者)
(翻訳:エァクレーレン)
[シンガポール 19日 ロイター]
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