バナナの歴史は病気との闘いの歴史でもあった。20世紀半ば頃まで食用バナナの中心品種だったグロス・ミシェル種は、パナマ病の蔓延で壊滅的な被害を受けた。その後パナマ病に強い品種として台頭してきたのがキャベンディッシュ種。しかし、その「有望株」も、今や新たな病気の蔓延で危機に瀕している。
バナナにはパナマ病全般に対して耐性のある「FHIA-25」という品種があるにはある。ただ「FHIA-25」は主に加熱料理用で、生食用の品種と比べると味は単調。代替品として広がりそうにない。
手軽な果物として親しまれてきたバナナが食卓から消える日が来るのだろうか。