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コラム
風刺画で読み解く「超大国」の現実 Superpower Satire
トランプの弁護人ジュリアーニは失言続き(パックン)
(c)2018 ROGERS─PITTSBURGH POST─GAZETTE
<トランプ弁護団に抜擢された元ニューヨーク市長のルディ・ジュリアーニ――就任早々から口が滑りまくっている>
FBIの捜査や複数の裁判が続くドナルド・トランプ米大統領には弁護士が必要。しかし、複数の弁護士事務所に依頼しても断られているし、今までの弁護士が次々と辞任している。さらに、長年のフィクサー役だった個人弁護士のマイケル・コーエンも先月家宅捜索されて、自分の弁護でいっぱいいっぱいだ。困った!
そこで弁護団に抜擢されたのが元検察官で元ニューヨーク市長のルディ・ジュリアーニ。トランプの代弁者として大いに期待されていた。その意味で風刺画では拡声器として描かれている。
しかし就任して早々、口が滑りまくった。まず、FBIの捜査官をストームトルーパーと呼んでしまった。『スター・ウォーズ』の帝国軍ではなく、ドイツ軍のナチ党の突撃隊を指す別称だ。以前、政府の捜査官をナチ軍と揶揄した全米ライフル協会(NRA)のウェイン・ラピエール副会長が辞任に追い込まれたが、今回も大問題になり得る。
もっとまずいのはポルノ女優への口止め料をめぐる発言。2006年に一夜だけの関係を持ったとするポルノ女優のストーミー・ダニエルズ(本名ステファニー・クリフォード)は2016年の大統領選直前に秘密保持契約を結んだ。しかしトランプが署名しなかったため契約は無効だと、彼女は裁判で訴え、テレビで詳細を暴露した。例えば、初対面のトランプに雑誌でお尻ペンペンしたとか。トランプはずっと契約も関係も否定している。「そんなプレイ、おしりまぺん」ってね。
問題は彼女に支払われた13万ドルもの口止め料だ。大統領側はこれまで、コーエンが勝手に個人のお金で払ったと主張してきた。しかし、それが彼からトランプへの政治献金に当たれば、金額制限を超えるので法律違反。そこでジュリアーニはトランプがコーエンに口止め料(hush money)を返したとし、選挙資金問題(campaign finance issue)はないと主張した。
残念ながらそうであっても、選挙中の金銭授受は連邦選挙委員会に申告する義務があり、今度はトランプが申告漏れの共犯者になってしまうかもしれない。こんな弁護はめんごだ!
ここまでひどいと、トランプが本当に口止め料を払うべき相手はジュリアーニではないのか。
【ポイント】
NO CAMPAIGN FINANCE ISSUE!...WITCH HUNT!...FBI STORMTROOPERS!...HUSH MONEY WAS PAID BACK!...
選挙資金問題はない! 魔女狩りだ! FBIはストームトルーパー! 口止め料は返した!
WAIT...HOW DO I TURN THIS OFF?
あれ......これはどうやって止めるんだ?
<本誌2018年5月22日号掲載>
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