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コラム
風刺画で読み解く「超大国」の現実 Superpower Satire
米環境保護庁(EPA)長官は、ただいま税金燃焼中(パックン)
(c)2018 ROGERS─PITTSBURGH POST─GAZETTE
<トランプ政権のトンデモ人事の中でも最たるものがEPA長官のプルイット――環境を保護しない政策を次々に実行するばかりか自分と仲間のために公金をじゃんじゃん浪費中>
ドナルド・トランプ大統領の閣僚指名には「逆キャスティング」が目立った。ブラック企業の社長を労働長官に! 反公立教育運動家を教育長官に! そして今回のキーパーソン。地球温暖化を疑問視する、環境保護庁(EPA)反対派のスコット・プルイットをEPA長官に! 放火魔を消防署長にするような人事だ。
プルイットがEPA長官になると案の定、有害な化学物質の販売を許可したり、発電所や自動車の排気規制を緩和したりと、環境を保護しない方向に舵を切った。でも、国民が本気で怒りだしたのは今回の風刺画が指摘する公金の浪費だ。
例えば、昨年12月のモロッコ出張。専門家1人、古い仲間6人を連れて、公務と関係なく経由地のパリで2日を過ごした。
旅費は4日でなんと4万ドル。でもその分、モロッコでは懸命にアメリカの液化天然ガス(LNG)を売り込んだ。
EPA 長官が化石燃料の営業をやっている?! そう! でも理由がある。LNG会社のロビイストが、プルイットにマンションを格安で貸しているのだ。プルイットは律義!
彼はとにかく仲間を大事にする。地元から連れてきた仲間をEPA の重要ポストに抜擢。その1人は給料をもらいながら3カ月間ほとんど出勤していなかったと、内部告発された。もちろん、豪華パリ・モロッコ出張には同行しているけど。
ほかの2人は、それぞれ約3万ドルと約6万ドル昇給している。それも緊急時に水の専門家を雇うための特別予算を使って。当然、お友達は水の専門家ではない。水増しが得意なだけ。
プルイットは友達に優しいが、自分にも優しい。特に空を飛ぶときは。公務でファーストクラスに乗る。チャーター便を使う。軍用機を貸し切る。自費だとエコノミーを選ぶらしいけど......。それに、高くても特定の航空会社を利用する。みんなの税金をたくさん使い、個人のマイルをためるということだ。
環境問題を無視し、burn money(お金を燃やす)、つまり浪費するプルイット。なんでファーストクラスに乗るのかと聞かれたら、環境問題をめぐって自分は政治的に toxic environment(危険な環境)にいるからと答えた。自分の環境は気にするんだね。
【ポイント】
MR.PRUITT...WE'RE SUPPOSED TO ENFORCE THE REGULATIONS...NOT BURN THEM!
ミスター・プルイット、われわれは環境規制を強化しなければならないのですが......燃やすのではなく!
RELAX...THOSE AREN'T REGULATIONS...THEY'RE TAXPAYER DOLLARS!
まあ焦るな、これは規制ではなく......納税者のカネだ!
<本誌2018年5月1&8日号掲載>
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