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手術されるインターセックスの子供たち トップモデルが壮絶な告白
From Hanne Gaby Odiele @hannegabysees
<昨年1月、ファッションモデルのハンネ・ギャビー・オディールが、男性と女性の生理学的性質を両方有する「インターセックス」だとカミングアウト。自らの過去を語り始めた。行動することもまたアートである>
アートとは、さまざまなものに伴う感情や感覚を自らの創造性、能力、あるいは手段などを用いて表現することだ。その意味で、行動そのものもアートになり得る。
今回取り上げるのは、そうした意味でのアーティストだ。長年世界のトップ・ファッションモデルとして活躍し、昨年1月に「インターセックス」だとカミングアウトしたハンネ・ギャビー・オディールである。モデルとして得た名声を活用し、インターセックスの基本的人権を訴えている。ベルギーの小さな街コートトライーク出身、30歳だ。
インターセックスとは簡単に言えば、大半の場合、男性と女性の生理学的性質を不完全ながら両方とも有している人たちのことだ。医学的にはDSD(Disorders of Sex Development/性分化疾患)と呼ばれる。
ハーマフロダイト、あるいはアンドロジナスなどとも呼ばれてきた。だが、1990年中頃からはインターセックスという言葉が、紆余曲折を経ながらも主に使われるようになってきている。
なぜならハーマフロダイトは、両性の生殖機能を完全に備えたギリシア神話の神からきているため、大半のインターセックスの者たちの状態に反し、完全な半陰陽者(性的・生殖機能的に半分が男性で半分が女性の人)や両性具有者(男女両方の性を兼ね備える人)として誤解を与えるためだ。また、アンドロジナスは本来のインターセックスの意味だけでなく、雰囲気的なファッション感覚でも使われていることが理由である。
インターセックスの範疇には、両性の生殖器、生殖腺、染色体、ホルモンの分泌状態などの組み合わせによって30以上、いや60以上とも言われるパターンがある。そのため、それら全てを包括するインターセックスという総称が使われやすいのである。
ちなみに、シンプルな状態(内外生殖器やホルモンなどもヘテロとほぼ変わらない状態)まで含めれば、インターセックスで生まれてくる確率は1.7%ほどだという。他方、後述する完全型アンドロゲン不応症の場合は、10万人に2~5人ほどの確率と言われている。
インターセックスはまた、近年本格的に市民権を得はじめたトランスセクシュアル、あるいはトランスジェンダーと呼ばれる人たちとは、基本的にまったく意味が異なる。
そうした人々は、ジェンダー・アイデンティティと生理学的外見が異なっていたとしても、通常は1つのジェンダー・アイデンティティを持つ。だがインターセックスは、多くが両方のジェンダー・アイデンティテイを曖昧に、あるいはその間で揺れ動きながら持っている。また、男性・女性を決定する染色体分析ではそれを判定できない場合もある。そのため第三の性を持つ人たちとも認識されはじめている。
オディール自身、生まれたときの外見は女の子だった。両親もそう思っていた。だが生後2週間ほどして感染症にかかったことがきっかけで、一般社会でタブーとされていたものが判明されていく。
血液検査では普通の男の子だった。身体内部に精巣を有し、子宮と卵巣は彼女の身体には存在していなかった。男性の特質を表すべきXとYの染色体を兼ね添えてはいたが、精巣から作り出される男性ホルモンはオディールの身体の中で完全に拒絶され、女性ホルモンに変換されていた。CAIS(Complete Androgen Insensitivity Syndrome/完全型アンドロゲン不応症)だったのである。
そして専門医と呼ばれる者から、オディールのインターセックスについては世間から完全に秘密にし、手術を行うよう諭される。子供ということでオディール本人の同意なしにだ。
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