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仏教的かキリスト教的か、イスラム教的か、混乱させる写真
こうした点について質問してみると、面白い答えが返ってきた。彼はキリスト教徒だが、子供の頃、仏教に関する本を読んだことがきっかけで、大学の頃までは自分は仏教徒だと人に話していた、と。また、アジアの歴史的・文化的な価値観にも大きな影響を受けているという。
キャリアそのものも風変わりかもしれない。大学での専攻は経済のマーケティングで、卒業後は音楽活動をしていた。現在30歳だが、写真を始めたのは、わずか6年ほど前だ。
とはいえ、プロティクの作品についていえば、彼の宗教的アイデンティティの危うさも、キャリアの変貌も、写真を視覚的にどう撮るかさえ、あまり重要ではないかもしれない。事実、彼自身、音楽と写真には大差はないという。ただ自分の感じていることを表現したい、それを表現できる手段だ、というわけだ。
プロティクの継続的なライフワークともいえる大きなテーマは、"時間"と"光と空間"だ。バングラデシュでは、彼自身は変わり種かもしれないが、さまざまなバッググラウンドを持つアジアのアイデンティティを通して、その存在性と自らの精神性を探っているのだろう。
今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Sarker Protick @sarkerprotick
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