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「何を撮るかでさえ重要ではない」と、豪州の強烈な陽光の下で
From Markus Andersen @markusxandersen
<シドニーで光と影のコントラストをドキュメントする写真家、マーカス・アンダーセン。カメラは単なる道具に過ぎないと、彼は訴える>
オーストラリア最大の都市であるシドニーは、ほぼ1年中、晴天に恵まれている。澄み切った空から降り注ぐその陽光は、極めてきつい。適度な気温のため、その強さをつい忘れてしまいがちだが、たやすく肌を焼け焦がすほどだ。
同時にそれは、巨大なビル群を孕む"大都会性"と、複雑に入りくんだリアス式海岸沿いに続く街並みと絡み合って、光と陰の強烈なコントラストを生み出す。今回紹介する38歳のマーカス・アンダーセンは、そんなシドニーで生まれ育ち、光と陰を自らのカメラアイでドキュメントしている写真家だ。
光と陰が作り出す世界は、一種の陶酔だとアンダーセンは言う。無論それは、太陽が直接的に作り出す、単なる眩さと気だるさのせいだけではない。シドニーの強烈な光によって作られる陰が、そのハイコントラストの交錯が――彼の言葉を借りれば――時として日常のありふれた瞬間を、予期せぬ非現実的な世界へと誘ってくれるからだ。
作品は、光と陰をドラマチックに扱っているだけではない。アンダーセンの作品の主題は、大都会シドニーに住む人間である。しばしば人間は、太陽に幻惑されながら巨大な闇という峡谷に突き進んでいくように、あるいはその一部の生き物であるかのように描写されている。それは、発展と消費文化に対するアイロニー的なメッセージでもある。
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