コラム

美しいボディ・パーツが発するメッセージ

2016年07月25日(月)16時03分

traying to not fail one tread

ornellaascoleseさん(@or.nella)が投稿した写真 -

 アスコレセがこのように写真と自然な関わりを持ち、また、多くの人が見落としてしまう日常の中に美学性を見出せるのは、彼女が80年代から、ファッション業界に長く身を置いてきたことが大きく起因している。その中で、美とボディ・パーツとの繋がりを学んだという。また。写真家やダンサーたちからもその重要性について影響を受けた。しかし、それ以上に重要なことがある。彼女の出身地と母親の家庭環境だ。

 南イタリアである。この地は、彼女によれば、言葉よりもまずボディ・ランゲージで会話を始めるような土地柄だ。そして、彼女の母親は、第二次世界大戦中に生まれ、貧困の中で育った。当時、写真は非常に高価なものであり、持っていたはずの数少ない家族写真でさえ戦争で焼かれしまった。そのため、写真の裏にある大切な物語は言葉により聞かされてきた。それがかえって彼女の視覚的イマジネーションを高めるようになった、とアスコレセはいう。彼女のヴィジュアル面での特質と才能は、ある種、運命的なものだったのかもしれない。

【参考記事】暴力と死が蔓延するメキシコで家族写真を撮る意味

今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
ornellaascolese @or.nella

starting my weekend with the right leg

ornellaascoleseさん(@or.nella)が投稿した写真 -

プロフィール

Q.サカマキ

写真家/ジャーナリスト。
1986年よりニューヨーク在住。80年代は主にアメリカの社会問題を、90年代前半からは精力的に世界各地の紛争地を取材。作品はタイム誌、ニューズウィーク誌を含む各国のメディアやアートギャラリー、美術館で発表され、世界報道写真賞や米海外特派員クラブ「オリヴィエール・リボット賞」など多数の国際的な賞を受賞。コロンビア大学院国際関係学修士修了。写真集に『戦争——WAR DNA』(小学館)、"Tompkins Square Park"(powerHouse Books)など。フォトエージェンシー、リダックス所属。
インスタグラムは@qsakamaki(フォロワー数約9万人)
http://www.qsakamaki.com

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