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このシンプルさの中に、日系人のアイデンティティーが息づく
彼の写真の中にアイデンティティーが絡みついてくる最も大きな理由は、彼が日系人であることだ。16年前に70歳で亡くなったミヤザキの父は、第二次世界大戦中、母国であるアメリカそのものの手により強制収容所に送り込まれた12万人以上の犠牲者の1人である。
とはいえ、現在49歳になるミヤザキが自分の中にある日本人を意識し始めたのは、大人になってある程度年齢を経てからだという。
白人が大多数を占めるウィスコンシン州のミルウォーキー郊外で育った彼は、多くの日系人がそうであるように、単に自身を"普通のアメリカ人"として認識していた。子供時代、食べ物や家族の会話に出てくる単語には日本的なものがあったが、文化的、あるいはエスニッック的な違いで言えば、むしろアメリカ的で、それを喜ばしいものと考えていた。
だが、現実はそうではなかった。そうした中でここ20年ほど、彼の中にある日本人の血、あるいは自分の祖先について考えるようになっていったという(むろん、現在でも最も大きなアイデンティティーはアメリカ人ではあるが)。
昨年7月、ミヤザキは85歳の母親と、生まれて初めて日本を訪れた。また、同じく昨年には「エコー(反響)」というタイトルで、自らの家族の歴史や移民、記憶を探るプロジェクトを制作し始めている。エコーは、母方の1世がハワイで19世紀後半に発刊した日系新聞『コナ反響』にちなんだものだ。
今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Kevin J. Miyazaki @kevinmiyazaki
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