コラム

シャガールのように、iPhoneでイランを撮る

2015年11月10日(火)16時15分

Portrait of a drug addict, his face was burn when he was child. #MazariSharif #Afghanistan

Ako Salemiさん(@f64s125)が投稿した写真 -

 子供時代の彼はシャイで、路地裏で大半を過ごし、周りの子供たちや大人たちの動きばかりを眺めていた。また、彼は写真の中の様々なエレメントと、その関係性を本能的に捉え、それをカメラにフリーズするが、それも、この幼少期の路地裏での経験が大きく影響しているという。

 加えて、育ったのはイラン・イラク戦争の頃で、爆弾のサウンドは彼の日常だった。また彼は、イランでは少数派の、しばしば政治的に複雑な立場に置かれ、今も置かれ続けているクルド人だ。

 とはいえ、現在の日常でのサレミは、きわめて陽気だ。だからこそ、彼の作品はいくら重々しくダークだとしても、シャガールのそれ同様、希望が垣間見えるのかもしれない。それがより一層魅力を放つのである。

今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Ako Salemi @f64s125

プロフィール

Q.サカマキ

写真家/ジャーナリスト。
1986年よりニューヨーク在住。80年代は主にアメリカの社会問題を、90年代前半からは精力的に世界各地の紛争地を取材。作品はタイム誌、ニューズウィーク誌を含む各国のメディアやアートギャラリー、美術館で発表され、世界報道写真賞や米海外特派員クラブ「オリヴィエール・リボット賞」など多数の国際的な賞を受賞。コロンビア大学院国際関係学修士修了。写真集に『戦争——WAR DNA』(小学館)、"Tompkins Square Park"(powerHouse Books)など。フォトエージェンシー、リダックス所属。
インスタグラムは@qsakamaki(フォロワー数約9万人)
http://www.qsakamaki.com

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