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国連、雨季到来前に迅速な援助呼びかけ 死者3000人超か

2025年04月02日(水)09時31分

4月1日、 ミャンマー軍事政権トップのミンアウンフライン総司令官は演説し、中部マンダレー付近を震源とする先週の大地震による死者が2719人になったと述べた。写真は地震で倒壊した建物を捜索する救助隊。マンダレーで3月31日撮影(2025年 ロイター)

[1日 ロイター] - ミャンマー軍事政権トップのミンアウンフライン総司令官は1日の演説で、中部マンダレー付近を震源とする先週28日の大地震による死者が2719人になったと述べ、3000人を超えるとの見通しを示した。

負傷者は4521人、441人が行方不明で、行方不明者の大半は生存の可能性が低いとした。

被害状況を調査した国連当局者は1日、国際社会に対し、まもなく始まる雨季で壊滅的な状況がさらに悪化する前に援助を強化するよう呼びかけた。

現地を2日間視察した国連のコルシ・ミャンマー常駐調整官は、飲料水、衛生、食料、避難所、医薬品が最も必要とされていると述べた。

ミャンマーでは、地震発生のかなり前から、内戦によって300万人以上が避難生活を続けている。2021年に国軍がクーデターで実権を握った後も、少数民族武装勢力の攻撃が続き不安定な状況にあり、救援活動が思うように進まない。

ビショップ国連ミャンマー特使は、全ての当事者に対し、直ちに戦闘を停止し、人道的アクセスを許可し、援助関係者の安全を確保するよう求めた。

アムネスティー・インターナショナルのミャンマー担当者は、国軍は、以前から抵抗勢力の活動地域への援助を拒否していると指摘し、全ての人道援助団体のアクセスを直ちに許可するよう求めた。

3つの少数民族の武装勢力からなる「3同胞同盟」は1日、緊急の人道支援活動を可能な限り迅速かつ効果的に実施するため、1カ月間の停戦を一方的に宣言した。

隣国タイでは、地震による死者は21人に上り、数百棟の建物が損壊した。首都バンコクの建設中のビル倒壊現場では70人がまだがれきの中に取り残されているとみられ、1日も捜索活動が行われているが、救助のタイムリミットとされる72時間をすでに過ぎ、生存者の救出は困難との見方が広がっている。タイ工業省の当局者は、倒壊現場から採取した鉄製品を検査したところ、基準を満たしていないとの暫定結果が出たと明らかにした。

ロイター
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