- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 英語民間試験、萩生田発言は問題外だが、実施先延ばし…
英語民間試験、萩生田発言は問題外だが、実施先延ばしも問題外
受験生に「身の丈に合わせて頑張って」と言い放った萩生田文科相の発言は確かに問題だが Issei Kato-REUTERS
<日本の国際化を妨げ、経済停滞を招いた英語教育を「使える英語教育」へと変える――その改革にもう猶予はない>
大学受験の英語力判定において、2020年度から民間試験を導入する問題ですが、萩生田光一文科相の「身の丈に合った......」という発言が「炎上」する中で、野党や高校の現場などから「実施の延期」を主張する声が上がっています。
確かに、大学受験において高額の受験料が発生するというのは問題で、そのために「格差の世襲」が続くようでは、日本社会の活力はさらに衰退してしまうでしょう。一刻も早い是正が必要です。
具体的には、
▼本命のくせに法外な(一回約2万5000円)受験料を取っているTOEFLなどの価格を強い行政指導で下げさせる。
▼世帯年収に応じて受験料の減免を行う。
▼地方など受験生の少ない場所での実施には補助金を出す。
といった緊急措置が必要だと思います。これは待ったなしで策を講じなければならないでしょう。ちなみに、大学出願に必要な学力検査の受験料の減免ということでは、アメリカの場合、4人家族の年間世帯年収が約4万7000ドル以下であれば減免が、3万3000ドル以下なら無償化の対象となっています。
どうして待ったなしなのか、それは実施の先送りは許されないからです。英語というのは、学界やビジネス界では事実上の世界共通語になっています。その一方で、日本の英語教育は、誤った文法メソッドや翻訳メソッドで、言語ではなく単なる暗号解読と暗記を多くの日本人に強いてきました。
その結果として、英語教育が無力感と劣等感を植え付けてきたのです。英語教育の遅れが国際化を妨害し、日本経済をここまでボロボロにしたのです。その英語教育を「使える英語教育」に変革する、この改革に猶予はありません。そのための入試改革は、すでに遅過ぎるぐらいであり、1年の延期も許されません。
それにしても、アベノミクスの第三の矢が発動できずに、先進国から滑り落ちそうになっている政権に対抗するべき野党が、どうしてこうした改革に反対するのでしょうか?
スマートシティ構想もそうで、何もしないで傍観していれば、中国やシンガポールがどんど5G(第五世代移動体通信)やそれを使った自動運転を実現する都市インフラの実験で先行し、日本の自動車産業や情報通信産業は研究開発も含めて一層の空洞化が進み、国内では雲散霧消してしまうかもしれないのです。
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員