ニュース速報
ビジネス

習主席、ベトナムに協力拡大呼びかけ 14日から東南アジア歴訪

2025年04月14日(月)13時02分

 中国の習近平国家主席(写真)は14日から訪問するベトナムに対し、産業と供給網(サプライチェーン)における協力強化と新たな分野における広範な協力を呼びかけた。3月28日、北京で撮影(2025年 ロイター/Florence Lo)

Francesco Guarascio Liz Lee

[ハノイ/北京 14日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は14日から訪問するベトナムに対し、産業と供給網(サプライチェーン)における協力強化と新たな分野における広範な協力を呼びかけた。

習主席は東南アジア3カ国歴訪の最初の訪問国として、15日までベトナムを訪れる。

習氏はベトナム共産党機関紙「ニャンザン」に寄稿。東アジア協力や瀾滄江・メコン川協力などの地域事業を通じた協調や協力の強化を訴え、「混沌かつ絡み合った世界に、より安定と前向きなエネルギーを注入する」ために、そうした取り組みが必要だと述べた。

さらに「貿易戦争や関税戦争に勝者はなく、保護主義には出口がない」とし、「われわれは多国間貿易システムをしっかりと守り、世界の産業とサプライチェーンの安定を維持し、開かれた協力のための国際環境を維持しなければならない」とした。

中国がベトナムからの高品質な輸入拡大を歓迎し、より多くの中国企業が東南アジアに投資し、事業を始めることを促すとも述べた。

両国が協力を拡大すべき新分野として高速通信規格「5G」、人工知能(AI)、グリーン開発などに言及している。

習氏のハノイ訪問はこの1年半足らずで2度目。第1次トランプ米政権が課した関税を避けるため中国に拠点を置く製造業者が南下する中、ここ数年で数十億ドル規模の中国投資を受けたベトナムとの関係を強化する狙いがある。

ベトナムのブイ・タイン・ソン副首相が12日に明らかにしたよころによると、中越両国は複数の分野で約40の協定に署名する予定。14日に国営メディアに掲載された記事によると、ベトナムのラム国家主席は防衛、安全保障、鉄道網を中心とするインフラにおける協力を強化したいと述べた。

ベトナム税関のデータによると、今年1─3月に中国から約300億ドル相当のモノを輸入した一方、米国への輸出額は314億ドル。中国からの輸入額が米国への輸出額と密接に連動するという長期トレンドが確認された。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独ZEW景気期待指数、4月は-14.0 ウクライナ

ビジネス

世界EV販売、3月は29%増 中国と欧州がけん引 

ワールド

中国、対米摩擦下で貿易関係の多角化表明 「壁取り払

ワールド

中国とベトナム、多国間貿易体制への支持を表明 鉱物
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトランプ関税ではなく、習近平の「失策」
  • 3
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができているのは「米国でなく中国」である理由
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 6
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    シャーロット王女と「親友」の絶妙な距離感が話題に.…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中