強権にして繊細な男、若松孝二の青春を『止められるか、俺たちを』に見よ
その若松が交通事故で没してから6年後の2018年、若松プロダクションの若い世代が初期の若松プロを舞台に、青春映画『止められるか、俺たちを』を撮った。内容はまさしくタイトルどおり。若松が強権だけのタイプではないこともよく分かる。
映り込んでいる若松プロ黎明期の男や女たちは、現在の若松プロに集う男や女たちの写し絵でもある。主人公の女性助監督をめぐるストーリーも実話なのだ。若松本人を演じるのは若松映画の常連である井浦新。監督と脚本は共に若松プロ出身である白石和彌と井上淳一。撮影も若松プロ常連の辻智彦。つまり本作はメタ構造の映画だ。ドラマでありながらメイキングでもある。
もしも若松がこの映画を観たのなら、「まったく無駄な金を使いやがって」とぶつぶつ言ってから、「飲みに行くぞ」とつぶやくはずだ。
『止められるか、俺たちを』(2018年)
監督/白石和彌
出演/門脇麦、井浦新
<本誌2020年4月28日号掲載>
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