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名馬だらけのテーマパークを造った新疆ウイグル自治区の逸材企業家
新疆古生態園の名馬「汗血馬」ことアハルテケ(写真:府川葵)
<アハルテケやモウコノウマという貴重な品種の馬が100頭以上。他にも植物の化石である珪化木などが展示された"知られざる観光地"が、新疆ウイグル自治区のウルムチにある。造り上げたのは、悲しい目をした豪快な企業家だった>
こんにちは、新宿案内人の李小牧です。私が率いる日本メディア関係者の「新長安・新シルクロード・新夢路視察団」は3月22日から29日にかけて、中国西部を訪問した。前回のコラム(中国の旅行会社が「新シルクロード」に日本メディアを招待した理由)では西安を中心にレポートしたが、今回は新疆ウイグル自治区で出会った逸材企業家について紹介したい。
皆さんは「汗血馬」をご存知だろうか。『三国志』の関羽の愛馬、赤兎馬のモデルになったと言われる中央アジアの名馬だ。2000年以上も昔、前漢の時代には、この馬を手に入れるために武帝が西域に遠征軍を送ったほどだという。
伝説の汗血馬の子孫と考えられているのがアハルテケという品種だ。きわめて貴重な馬なのだが、新疆ウイグル自治区ウルムチ市にある「新疆古生態園」では100頭を超えるアハルテケが飼育されている。そして汗血馬以上に貴重な絶滅危惧種であるモウコノウマも数十頭いるほか、日本から輸入されたサラブレッドまで飼育されている。
馬だけではない。植物の化石である珪化木(けいかぼく)が350本、大小さまざまな隕石が計3000トン、他にも中国では宝飾品として愛されているゴビ石の原石など、きわめて貴重な財宝が膨大に展示されている。
しかも、この新疆古生態園だが、ウルムチ市の中心にある人民広場から車で30分程度の市街地にある。衛星写真(下)を見ても、巨大な森、馬の飼育用地とレースコースが住宅地のど真ん中にあることが一目瞭然だ。
今やウルムチ市もビルが立ち並ぶ大都会、中国西部最大の都市である。シティセンターからさほど離れていない場所にこれだけの用地を確保するとなると、収蔵された宝物と同等かそれ以上の土地代がかかるのではないだろうか。
この新疆古生態園、いったい何なのだろうか? 一般的な動物園やテーマパークなどと異なることは明らかだ。しかも公営ではなく私営であり、そのオーナーこそが、私が出会った逸材企業家の陳志峰氏(54歳)である。新疆ウイグル自治区アルタイ地区出身の漢民族だ。
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