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いま中国の企業家や投資家が知りたい3つのこと
中国人の興味その3:異国で成功する秘訣
最後に「異国で成功する秘訣」だ。中国の企業家たちが今、一番関心を持っている問題が海外進出。習近平総書記による「一帯一路」の大号令の下、ブームとなっている。しかし、海外での成功は容易ではない。技術があるだけ、金があるだけではうまくいかないのだ。中国の海外進出ブームはまだ始まったばかりで、ノウハウは蓄積されていない。痛い目をみた企業家たちがごまんといるわけだ。
そこに現れたのが私、李小牧だ。身ひとつで東京に乗り込み、自分の店を持ち、選挙に出馬できるほどの信頼を得る。このノウハウをどうしても知りたいのだろう。
私がいつも強調するのは「接地気」の重要性だ。「接地気」とはここ数年、中国で流行している言葉で、「お高くとまっているのではなくて、一般市民の中に分け入り、その感覚を理解しなさい」という意味である。「中国共産党の幹部たるもの、大衆の心を知るべし」というふうに使われる。政治のみならず、ビジネスの世界でも重要だ。
聞いた人は「接地気? 何を当たり前の話をしているんだ......」と思うだろう。だが、言うは易しだ。成功体験があり、うなるほどの金を持っている中国人企業家はついつい現地の習慣や文化をバカにしてしまいがちだ。自分の物さしで見れば愚かとしか思えないことでも、現地の人々がやっているのならばきっとなんらかの意味を持っているはず。スティーブ・ジョブズよろしく「Stay Foolish」(バカであれ)の精神を抱いて、愚直に現地の習慣を模倣してみるべきだ。
私が事例としてあげたのは、選挙での街頭演説だ。選挙期間中、私は毎朝、駅前に立ち続けた。通勤時間だけに足を止める人はほとんどいない。誰一人聞いていない時もあった。それでも私は演説をやめなかった。まずはやってみよう、やってみないと本当にばかげた行為なのかどうかはわからないと思ったからだ。実際にそうだった。演説を続けるうちに人々の反応は変わってきた。私も道行く人々のムードがわかるようになっていた。街頭演説の体験を交えた私の講演には盛大な拍手が寄せられた。
李小牧人気の秘密は......
さて、起業家相手に大ウケした講演について取り上げたが、ここから"李小牧人気"の秘密が見えてくるのではないか。
第一に、中国人が知りたがっていることを伝えるという点だ。私は「民主主義ってなんだ?」「神秘の国・日本の凄さ」「異国で成功する秘訣」について伝えた。第二に、具体的な体験やエピソードを交えることだ。抽象的ないい話なら誰でもできる。自分の血肉となった話でしか人は感動させられない。第三に、客観的な視点から好奇心を持って社会を掘り下げて観察することだ。私は日本に渡って以来、ずっとそれを心掛けてきた。
この3つができれば、あなたも中国で人気の言論人になれるのではないだろうか。
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