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本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベースカバーに走らなかった理由を考察
問題としたいのは、このコールのプレーだ。マスコミは、こぞってコールを「怠慢」だと非難し、戦犯扱いした。確かに、一塁ベースカバーに走っていれば、この回は無得点だった。そして、そのまま第5戦はヤンキースが勝っただろう。そして、4戦、5戦と連勝したヤンキースが、その勢いで逆転優勝する可能性もあった。しかし、そうはならなかった。そのため、ヤンキース・ファンがコールを非難したい気持ちは分かる。しかし、科学的に見れば、コールのプレーは異常なものではなく、怠慢でもなかった。
このワンプレーは、プライミング効果で説明できる。それは、あらかじめ受けた刺激(プライマー)が、その後の行動(ターゲット)に影響を及ぼす現象を指す。「最初の」という意味の「プライム」に由来し、潜在的(無意識的)なレベルで発生するものだ。
これをコールのプレーに当てはめると、1回表のドジャースの攻撃で、ベッツが打った一塁ゴロがプライマーで、5回表のコールのプレーがターゲットである。
動画をご覧いただければ、一目瞭然だが、1回表のベッツの打球と、5回表のベッツの打球は、ほとんど同じである。
打った選手も、ボールが飛んだコースも、一塁手の守備位置も、打者の走りも、そして、コールの走り出しも、まったくと言っていいほど同じだ。
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