北方領土にロシア空軍の戦闘機が展開 演習か、常駐か?
第一は、今年9月に予定されているロシア軍の極東大演習「ヴォストーク2018」を見据えたものという可能性である。前回の「ヴォストーク2014」でも択捉島には大規模なヘリ部隊が展開したが、今回は戦闘機部隊も北方領土を拠点として訓練に参加するものと考えられよう。
しかし、第二に、「サハリンインフォ」の記事からは、戦闘機部隊の展開がより長期化しそうな雰囲気が感じ取られる。
たとえばヤースヌイ空港運営当局のミトロファノフ空港長代行の次のような言葉を引用してみよう。
「私たちの空港が空の守り手を受け入れられるよう、大変多くの人々の努力が注ぎ込まれました。配備の開始は、ロシアの兵器の力を実感できる新たな契機です。皆さんの勤務が順調で陰りなく、暮しが常にうまくいきますように」
雨はよき兆し
また、択捉島を管轄するクリル地区のロコトフ地区長は、戦闘機の到着に際して雨が降ったことについて次のように述べた。
「雨はどんな始まりにとってもよき兆しであるとされています。(中略)択捉島では様々な兵科を代表する人々が勤務しており、ここに戦闘機パイロットの皆さんが加わりました。皆さんがこの大きな家族に加わったことをお祝い申し上げます」
そのうえで、「ここで暮らし、祖国を守る人々の生活が快適でおもしろいものになるように」地域を挙げて協力するとも付け加えたとされている。
以上のように、現地当局者たちの発言は明らかに戦闘機部隊が長期にわたってこの島に常駐することを念頭に置いているように聞こえる。戦闘機の到着に当たって地区長が出迎えを行っていること、空軍側からは極東を担当する第11航空・防空軍副司令官というそれなりの人物がわざわざ択捉島まで出向いていることも注目されよう。
きわめつけは、「サハリンインフォ」による次のような論評であろう。
「試験戦闘配備は、国境防衛のための本格的な(恒常的な)配備の第一段階である。今後の2ヶ月間(10月まで)、パイロット、技術要員、空港の地上職員は、共同作業が自律的に進むようにしなければならない」
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