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「日本人の責任とは思わない」の声もあるが...英史上最悪の「冤罪」事件、富士通の責任は?
英ウィンザーのポストオフィスの看板 shawnwil23-Shutterstock
<郵便局を舞台に、英最悪の「大量冤罪」事件を起こした富士通の勘定系システム「ホライゾン」。元富士通UKの内部告発者が公聴会で証言した>
[ロンドン]富士通が提供した英ポストオフィス(郵便事業のうち窓口業務を引き受ける国有の非公開株式会社)の勘定系システム「ホライゾン」の欠陥による大量冤罪事件の真相を究明する公聴会で9日、富士通UK(英国)に2001~04年に勤務したリチャード・ロール氏が証言した。ロール氏は数少ない富士通の内部告発者だ。
ロール氏は1976年に航空電子工学エンジニア見習いとして英空軍に入り、航空機のナビゲーションシステムや兵器システムのソフトウェア開発に従事した。89年に退役したあと工場のオートメーションやロボティックス機器のプログラミングに携わった。富士通UKではプロダクト・スペシャリストとしてホライゾンをサポートしたという。
ポストオフィスは99年、取引の4割を占める年金など公的給付の窓口業務が銀行口座への直接振り込みに移行することを恐れてホライゾンの導入を急いだ。翌2000年からホライゾンの勘定に基づく現金不足の訴追が始まり、民間受託郵便局長(準郵便局長)ら706人が不足分の現金をくすねたと濡れ衣を着せられ、社会の信用と財産、人生のすべてを失った。
ロール氏は11年、冤罪の恐れを指摘する英BBC放送のニュース番組を視て「当時、ホライゾンの修復に奔走したが、システムに間違いがあった可能性がある。準郵便局長らが身に覚えのない罪で起訴されたり、刑務所に入れられたりしているのを放置できない」と思い、ホライゾンの裏側で何が起きていたのか告発することを決意した。
雪ダルマ式に増える複数エラーもしばしば
ロール氏の職場はロンドン郊外ブラックネルの富士通UKオフィスにあったが「ソフトウェア・サポート・センター」「システム・サービス・センター」「システム・サポート・センター」の呼称が入り乱れ「SSC」と呼ばれていた。ロール氏自身「SSC」がどういう意味か知らなかった。
複雑怪奇なホライゾンにはさまざまな通信システムとソフトウェア言語が入り乱れて使われていた。