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アストラゼネカ製ワクチンへの疑いは晴れた EUはワクチン戦争よりイギリスと協力せよ
AZワクチン接種後に報告された血栓症例は一般集団で予想された数よりも少なかったという。
「巨大なぬいぐるみ」の中で勘違いしてしまったEU
欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、EU域内で接種されたのはファイザー3751万2973回、アストラゼネカ732万7363回、モデルナ215万7095回(17日時点)。100万回接種当たりの肺血栓塞栓症の発生率はファイザー2.6例、アストラゼネカ1.8例、モデルナ0.9例。
深部静脈血栓症(DVT)はファイザー0.9例、アストラゼネカ0.4例、モデルナ0.5例。脳静脈血栓症(CVT)はファイザー0.1例、アストラゼネカ0.4例と3社のワクチンの間で大きな違いはみられなかった。EUのアストラゼネカ攻撃が、いかに理不尽かがお分かり頂けるだろう。
周りを海に囲まれた通商国家イギリスは常に「ウィンウィン」でモノを考えるのに対し、大陸国家の寄せ集めに過ぎないEUは典型的な「ゼロサム」思考。EUはこれまで叩いてきたAZワクチンのイギリスへの輸出を差し止める愚挙に再び出ようとしている。
EU加盟国の一連の行動はワクチンへの不信感も増幅させた。これをきれいに拭い去るのは大変な労力だ。
こんな恥知らずなことを世間体も考えずにいとも簡単にできてしまうのは、自分の身の丈に合わないEUという「巨大なぬいぐるみ」を身に着けたことで、加盟各国の政治指導者やEU官僚が「絶対正義」を手に入れたと勘違いしてしまったからに他ならない。