新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす世代間の対立と宗教間の対立激化
その後も多くのプロテスタント教会で礼拝や集まりが原因で集団感染が続々と発生しており、それに対する世間の眼は未だに冷たい。さらに、2021年11月24日、韓国でオミクロン株が最初に確認された感染者もあいにく仁川(インチョン)に位置する信徒2万人の大型教会の牧師夫妻であった。
ナイジェリアから帰国した彼らは、空港に出迎えに来た信者の車で自宅に戻ったものの、彼に迷惑をかけたくないと思い、防疫当局には空港から防疫タクシーを利用して自宅に戻ってきたと、虚偽の報告をした。彼らはオミクロン感染が確定するまでの5日間、教会など地域社会を歩きまわり、その結果、同じ教会の信者や家族などにオミクロン株の感染が広がった。
この対立の扱いが大統領選を左右する
韓国キリスト教社会問題研究院がまとめた資料によると、2020年5月1日から2021年2月24日まで宗教施設で発生した集団感染54件(感染者数7,866人)のうち、プロテスタント教会で発生した件数は51件(同2,953人)で、全体発生件数の約95%を占めている。非難がプロテスタントに集中している理由がうかがえる。
さらに、今後も礼拝等によりプロテスタント教会で集団感染が発生し続けると、プロテスタント教会に対する非難が高まり、宗教間の対立がさらに拡大する可能性が高い。以前からの地域間の対立、世代間の対立、男女間の対立等に続き宗教間の対立が拡大すると韓国社会はさらに分裂することになる。
来年の大統領選挙の最大のポイントは韓国社会に広がりつつある多様な「対立」をどう解決するかにある。与野党の候補は相手の誹謗中傷だけに時間を浪費せず、韓国社会に拡大している「対立」を解決するための対策を講じる必要がある。それこそが韓国を危機から救う良策であり、次のリーダになる条件であるだろう。
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