インフレと金利上昇で揺れる不動産市場...「持ち家」「賃貸」論争に変化の兆し?

インフレの本格化によってデベロッパーも1億円超えの高級物件にシフトしつつある ZHANG XUN/GETTY IMAGES
<首都圏新築マンションの平均価格は8000万円を突破、日本だけでなく世界各国でも不動産市場は変化の時を迎えている>
日本国内でもいよいよインフレ(物価上昇)が本格化してきたことで、不動産価格の常識が変わろうとしている。都市部においては、マンション価格が平均的な所得層では手が出ない水準まで高騰していることに加え、日本銀行の政策転換の影響で金利上昇が本格化しており、簡単には住宅ローンも組めない時代が当たり前となりつつある。新時代における不動産価格の常識について考察する。
このところ不動産価格の高騰が著しい。不動産経済研究所の調査によると、2023年の首都圏新築マンションの平均販売価格は8101万円となり、前年との比較で29%もの上昇となった。今から20年前の03年の価格は4069万円だったことを考えると、20年で不動産価格は2倍になった計算だ。もっとも、価格が異常なまでに高騰したのは昨年以降のことであり、その理由は急激な円安をきっかけに日本でもインフレが本格化してきたからである。
過去20年間、マンション価格は上がり続けてきたが、要因の大半は資材価格の高騰であった。1990年代以降、日本を除く世界各国は順調に経済成長を続けており、新興国が次々と準先進国入りを果たしたことで世界的に建設需要が増大。各種資材の価格が値上がりし、デベロッパー各社は仕入れコストの増大に悩まされた。
コストが上昇している以上、販売価格を上げなければ利益を確保できないので、デベロッパーは渋々価格を上げる選択を行ってきたが、一方で日本経済は長く不況が続いていたため、消費者の購買力は拡大していない。過去20年間の平均給与は300万円台後半でほぼ横ばいの状態となっており、マンション価格の上昇に対して労働者の賃金は伸びていないことが分かる。
賃金が増えないなか、資材価格ばかりが高騰するので、デベロッパーはマンションのスペックを落とし、販売価格を抑える努力をせざるを得なかった。言葉は悪いが、過去20年間の新築マンション販売というのは、価格を抑えるために、いかに安普請で済ませるのかの歴史と言っても過言ではない。
では20年以降、なぜ6000万円台だったマンション価格が一気に8000万円台に跳ね上がるという現象が発生したのだろうか。それは日本でもいよいよインフレが本格化し、従来の手法ではもはやデベロッパーはビジネスを継続できなくなったからである。
インフレが進むと資材価格が高騰するだけでなく、地価も上昇するので、デベロッパーにとってはダブルパンチとなる。日本の場合、アベノミクスの中核的政策である大規模緩和策が現在も続いており、日銀はようやく正常化に舵を切ったものの、現時点でも大量のマネーが市場に供給され続けている。
石破首相・トランプ大統領の首脳会談が「大成功」と言えるワケ...日本企業の「利益」とは? 2025.02.20
フジテレビ「最大の経営危機」、本番はむしろこれからか...市場は「今後」をどう見ている? 2025.02.05
-
「セールス」外資ならではの働きやすさ/ホテル業界向けの業務管理システム提供/リモート可/2018年日本支社設立/32カ国・地域に7 000名以上のグローバルカンパニー
Shiji Japan株式会社
- 東京都
- 年収700万円~1,100万円
- 正社員
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
電子決済カスタマーサポート/外資系企業だからこそ/続けたくなる仕事
TDCXJapan株式会社
- 東京都
- 月給26万5,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員