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女王と首相、「両方の親」を失いつつあるイギリス
だが議員たちは、次回選挙で自分に勝利をもたらす見込みのないリーダーには背を向けるもの。3回連続して総選挙で保守党を勝利に導いたサッチャーが1990年に党首の座を引きずり降ろされたのも、このパターンだった。
単純に議員たちは、首相官邸での相次ぐパーティーと、発覚後のジョンソンの否定やごまかしのせいで、彼の評判は地に落ちたと考えている。国民からはもう信用もされなければ好かれもしないだろう。
全体として見ると、ジョンソンは公約したことを成し遂げ(何年も二の足を踏んでいたブレグジットを実現した)、2つの非常に困難な状況におおむねうまく対処している(パンデミックとウクライナ危機)だけに、この状況は哀れだ。
イギリスはワクチン接種を上手に進め、イギリス経済は回復している。ウクライナがジョンソンを重要な同盟相手と考えているのも間違いない。だから、これが政策や実績の話だったら、ジョンソンの有権者基盤も議員の支持も万全なはずだ。でも、問われているのは彼の人格であり、彼はルールを破って嘘をついたと見なされている。
そんなわけで、僕たちイギリス人は2人のリーダーを失おうとしているかもしれない。2つの状況は全く異なるが、それぞれに違った意味で、悲劇だ。
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