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中国と一帯一路が引き起こす世界の教育の変容
中国は世界の教育を変えつつある... REUTERS/Thomas Peter
<中国は一帯一路とともに、世界各国で教育による影響力を拡大しようとしている...>
前回の記事では中国がサイバー空間で展開している一帯一路と連動した「超限戦」という新しい戦争についてご紹介した。今回は世界に向けて強力なソフトパワーを発揮している教育についてご紹介する。教育と合わせて民間企業、社会信用システム、軍事についても取り上げる予定だったが、文字数の関係で分けることにした。
一帯一路参加国を中心に教育による影響力を拡大する中国
「超限戦」においては教育も重要な武器となる。教育は必要な人材を育て、中国に対する理解や敬愛を広めることができる。一帯一路との関連においても同様だ。また、一帯一路は参加国の経済成長を促し、交易を広めるので、それを支える人材を大量に育成する必要もある。
2017年10月12日に一帯一路ポータルで公開された(文書自体には2016年7月と記載がある)「Education Action Plan for the Belt and Road Initiative」によれば、一帯一路における教育の目的は3つだ。なお、日本語は逐語訳ではなく、後段の説明も踏まえたものとなっている。
1.人的結びつきの強化( Promote Closer People-to-People Ties. )
2.一帯一路で必要となる能力の育成(Cultivate Supporting Talent. )
3.参加国との協力による教育水準の向上(Achieve Common Development. )
この目的を達成するための主な手段は奨学制度などの支援、現地ワークショップ開催などの教育支援と中国語と文化の教育である。主なものを整理すると下表のようになる。目的と対象ごとに奨学金や学校、制度が用意されている。
・一帯一路の教育関連施策の例
たとえば2017年には一帯一路参加国から317,200人の学生を中国に迎えており、これは中国が受け入れた海外留学生の64.85%に当たる。中国からは66,100人の学生が37の一帯一路参加国へ留学している。積極的に一帯一路参加国の人材育成に取り組んでいることがうかがえる。表で見たように学生を支援するための奨学金などの制度もとりそろえている。
学校やワークショップでは、対象や目的ごとに用意されている。技術や職業訓練を主体にしたLubanWorkshops(魯班工坊)、修士課程学生を支援するSilk Road School(丝路学院)、一帯一路参加国の中で発展が遅れている国向けの支援プログラムSilk Road Education Assistance Program、中国語と文化を教える教育機関孔子学院と孔子学級といったぐあいだ。
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