ギネス、コロナ、カクテル、シャンパン...トランプ関税で米消費者は値上げに直面、酒類業界激震

REUTERS/Sarah Meyssonnier/File Photo
米国の消費者は、カクテルやシャンパン、外国産ビールの価格上昇に直面し、バーのメニューからリキュールブランドが消える可能性がある。その結果、大西洋を挟んで米国と欧州の両方で雇用が失われるだろう。飲料業界団体やアナリストは、トランプ米大統領の相互関税政策の影響をこう予測している。
トランプ大統領の最新の関税措置の対象は、イタリアのカンパリをベースにした人気のネグローニカクテルから、世界最大の蒸留酒メーカーであるディアジオが製造するギネススタウトにまで広範に及んでいる。また、すべてのビールの輸入に25%を課税し、既存のアルミニウム関税の対象にビール缶を追加したことで、メキシコ製のコロナやオランダのハイネケンのブランドが影響を受ける。しかし、メキシコ産テキーラやカナダ産ウイスキーに25%の関税を課すとの宣言は実行されなかったため、ディアジオやカンパリなど一部の酒類会社の株価は上昇した。欧州のアルコールに対する200%の関税も当面は先送りされた。
それでも業界団体によれば、米国の消費者に大きく依存しているこのセクターにとって、3日に発表された関税は深刻な影響を与えるのに十分な水準だという。
欧州の酒造メーカーでつくる業界団体スピリッツ・ヨーロッパによると、欧州の蒸留酒の米国向け輸出額は2024年だけで29億ユーロ(4770億円)に達し、この貿易が米国で多くの雇用を生み出している。
フランスの団体や当局は、主に米国と中国に輸出されるコニャックなどの産地では、売上高が20%減少し、大量解雇が発生すると警告。スペインワイン協会は、米国での売上減少は、他の市場では補えないだろうと表明した。